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「C・ロナウド復帰はユナイテッド最大の過ち」今季初先発で大敗、先発外れるとマンUは4連勝…クリロナ37歳が直面する“不要論”
posted2022/10/08 17:00
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph by
Getty Images
クリスティアーノ・ロナウドはモダンなトップフットボールチームに必要な存在なのか、それとも──。
現在37歳のポルトガル代表ストライカーは言わずと知れたスーパースターだ。これまでにバロンドールを5度受賞し、チャンピオンズリーグを5度、プレミアリーグを3度、ラ・リーガを2度、セリエAを2度制覇。チャンピオンズリーグの出場試合数、得点数、アシスト数の最多記録を保持し、代表の出場記録(189試合)は欧州最多、得点記録(117ゴール)は世界最多で、EURO2016ではポルトガルに初のメジャータイトルをもたらした。
世界屈指のセレブリティへ商品価値が上がる一方だが
これほど煌びやかなキャリア(ここに挙げたのはその一部に過ぎない)を送っているのは、この競技の長い歴史を振り返っても、彼とリオネル・メッシくらいしかいない。
ただし英語を流暢に話し、パブリシティにも敏感なCR7の商業的な価値は、アルゼンチン出身の2歳年下のライバルを優に凌ぐ。主な3つのSNSのフォロワー数は計7億3000万を超え、数多のスポンサーを抱えるロナウドは、一度のコマーシャルな投稿で160万ドル(約2億2000万円)以上を稼ぐと言われている。間違いなく、地球上でもっとも有名なアスリートのひとりであり、正真正銘のセレブリティだ。
しかし選手としての価値については近年、盛んに議論されるようになってきている。とりわけ昨シーズンにマンチェスター・ユナイテッドへ戻ってきて、苦しむチームを復活させることに失敗すると、イングランドでは不要論が噴出した。そして今季開幕前には、「家族の事情」を理由にプレシーズンのツアーに参加せず、チャンピオンズリーグに出場したいからと、新天地を探しているとも報じられた。昨シーズンのプレミアリーグで6位に終わったのは「自分のせいではない」と主張しているようだ、と捉える向きもある。