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「親の七光り、二世、全然嫌じゃない」三浦孝太20歳、RIZIN2連勝に込めた思いと“好感度高すぎ”な父・カズとの秘話
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byRIZIN FF Susumu Nagao
posted2022/09/29 11:04
超RIZINの第1試合にて、タイのブンチュアイ・ポーンスーンヌーンに腕十字で勝利した三浦孝太
三浦「格闘技界の若きキングになる」
試合を終え、マイクを渡された三浦は、まず2試合欠場したことを謝罪した。その上で、こうアピールしている。
「アンチの人たちにも応援してもらえるような、格闘技界の若きキングになるので応援よろしくお願いします」
自分に何が求められているかを、この若者は完璧に理解している。それだけではない。今回のマッチメイクがどんなものだったのかも分かっていた。ブンチュアイは寝技という明確な“穴”のある選手。試合を終えても、MMAファイターとしてのレベルは未知数のままだ。三浦は言った。
「今後はMMAをちゃんとやってる選手も倒していかないと」
同時にブンチュアイへの感謝を語るのも忘れなかった。
「MMAはあんまりやってないと思います。それでもこういう舞台に上がってくれて感謝しかないです」
「親の七光り、二世、全然嫌じゃないです」
もう一つ印象的だったのは、三浦のコスチュームがサッカー日本代表ユニフォームのようなデザインだったことだ。この日、父は所属するJFL・鈴鹿ポイントゲッターズの試合があり、息子の闘いの少し後にキックオフを控えていた。親子で闘いに臨むと言うといかにもドラマチックだが、本当にそんな気持ちだったようだ。試合前日、父に電話をして激励された。息子は「お父さんも頑張ってゴール決めてきてね」と言ったそうだ。勝って「自分なりにいいバトンが渡せた」と三浦孝太。
「親の七光りとか二世って言われることについては、全然嫌じゃないです。素晴らしいことだと思っているので。だから(コスチュームで)七光りを思いっきり使っちゃいましたね」
インタビュースペースでは、日本代表風コスチュームの上から緑のウィンドブレーカーを着ていた。胸のロゴマークはヴェルディ川崎。父が実際に着ていたものだ。
「これも七光りです(笑)。母方のおじいちゃんが金庫に入れていて。亡くなったときに金庫を開けたら父のユニフォームがたくさん入ってました。それを孫の自分と兄が受け継いで。本当なら記念館にあるようなものなんでしょうけど。
自分は七光りをマイナスと思っていないし、この家に生まれてきて本当に嬉しいと思ってます。自分も父のヴェルディ時代だったり、この時代の代表が好きで(コスチュームは)真似したくて」