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「近くの道場に自分で電話して(笑)」心臓手術を乗り越え、柔術大会で優勝した“高田延彦62歳のいま”「(ヒクソンを)恨んだことはないよ」
posted2024/10/03 17:00
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph by
Gantz Horie
元プロレスラー・総合格闘家の髙田延彦がブラジリアン柔術の大会に62歳にして初出場。見事、一本勝ちで柔術デビューを飾った。
髙田が出場したのは、9月26日から29日にかけて愛知県武道館で開催された『SJJIF ワールド柔術チャンピオンシップ』。柔術の大会は、オープンウェイトを除き、体重、帯の色、年齢のカテゴリーに分けて行われ、62歳で柔術紫帯の髙田は61歳以上が出場可能なマスター7紫帯ヘビー級にエントリーし、アメリカのスティーブン・スミスと対戦した。
髙田は相手の引き込みに合わせてサイドポジションを奪うと、そのままガッチリと押さえ込みじわじわと腕を取りにいく。そしてクラッチを固めると相手の頭をまたぎ、そのままアームロックでタップアウトを奪い一本勝ち。マスター7紫帯ヘビー級は出場者が2名だったため、そのまま優勝となった。
試合後、対戦相手のスミスと健闘を讃え合い、表彰台にのぼり金メダルを首にかけた髙田は、大勢の柔術愛好家たちの記念撮影にひとりひとり応じたあと、単独インタビューに答えてくれたので、その模様をお届けしよう。
◆◆◆
――今回が初となるブラジリアン柔術の試合を勝利で終えて、今の率直な気持ちを聞かせてください。
「ほっとしたというのが正直なところかな。ああ、終わったなと。今、柔術というものが自分の中で、趣味というよりはもっと大きなライフワークみたいなものになっているから。その柔術を追究する上で、こういうコンペティションに出て経験しておくというのは、技術体系を知る上でも大事なことなんでね」
――大会出場は前から考えられていたんですか?
「もう3年前くらいからだね。心臓(の病気)がダメで2回諦めたんだけど、手術して体調的にも落ち着いてきたから。ちょっと準備期間はタイトだったんだけれど、また1年待つのも嫌だし。『やっちゃえ』という感じでエントリーしたんです」
7月に手術も…病と闘いながらの練習
髙田は2022年8月に突然発症した発作性心房細動に悩まされ2年間は薬で対処してきたが、今年7月17日に心臓アブレーション手術を受けたことを明かしている。病と闘いながら練習を重ね、もっと日常生活や柔術を夢中で楽しむために手術を受け、今回の大会にのぞんだという。