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「見慣れない数字だったのでガックシ来た」525日ぶりの実戦復帰、紀平梨花20歳が見せた戸惑いと覚悟「全日本を捨てるのは、ちょっと無理」 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2022/09/26 17:01

「見慣れない数字だったのでガックシ来た」525日ぶりの実戦復帰、紀平梨花20歳が見せた戸惑いと覚悟「全日本を捨てるのは、ちょっと無理」<Number Web> photograph by AFLO

中部選手権に出場し合計154・49点で全日本選手権の切符を手に入れた紀平。2018年12月の自己ベスト233.12点とは大きく差があるが、本人は…

「全日本で万全、健康に出場して、ノーミスで表彰台に立って、世界選手権や四大陸選手権に出場できるよう頑張りたいです」

 だから出ないという道はとらなかった。

 でもそこだけではない。もっと先の未来を描いている。先の言葉に続けて、紀平は言う。

「私の目標はもっと上だと思うので、たくさん練習が積めるようになったらもっともっと上を目指していきたいです」

北京五輪を見て「私もミラノと考えることができました」

 今春、イベントに出席した際、北京五輪で活躍した日本選手たちに触れつつこう語っている。

「メダルを獲得するのはすごいことですし、まず友達としてうれしかったです。あきらめなければチャンスは誰にでもあると勇気をもらえて、私もミラノ(2026年ミラノ・コルティナ五輪)と考えることができました」

 昨シーズン全ての大会を欠場した紀平は、北京五輪出場も果たすことができなかった。4年後こそ、という思いは強い。自分らしい演技を再び体現したい紀平にとって、万全でない現状を「それでよし」とは思えない。

 ショートを滑り終えた直後、紀平は硬さのある表情になった。演技の後にはこう語った。

「見慣れない数字(得点)だったので、なんかがっくし来たんですけど」

 それでも、焦っても意味はないことも自覚する。

「(試合を終えて)悪化はしていないと思います」

「(今後)痛みが出ないようなスケジュールで練習をしたいです」

慎重に前へ進み、理想の形へ

 選手として大会を前に、すべて自分のペースで進めることは難しい。その中でも、足の状態を把握しつつ、慎重に、前へと進もうとしている。その姿勢は、「自分の理想を形にしたい」と自分と向き合ってきたこれまでが培ったものでもある。

 次の大会は10月8日のジャパンオープン、10月下旬にグランプリシリーズのスケートカナダ、11月下旬には同シリーズのフィンランド大会が予定されている。

「次へつながる演技はできたのかなと思います」

 焦らず、慌てず、あきらめない。紀平梨花の4年後を見据えた道は続いていく。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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