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高橋藍(21歳)世界バレーを終えて再びイタリアへ「勝てた、と思う試合だからこそ涙も出なかった」「ワールドクラスの選手にならなければ」 

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高橋藍

高橋藍Ran Takahashi

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2022/09/23 17:02

高橋藍(21歳)世界バレーを終えて再びイタリアへ「勝てた、と思う試合だからこそ涙も出なかった」「ワールドクラスの選手にならなければ」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

新シーズンに向けてイタリアへ旅立った高橋藍(21歳)。世界選手権でつかんだ自信と課題、そして日体大を始めとする周囲への感謝を胸に挑戦を続ける

 今シーズンも引き続きイタリアのセリエA・パドヴァでプレーしますが、昨シーズンは12月の全日本インカレを終えてから合流だったので、チームはすでに出来上がっている状態で、スパイカーとして勝負することができませんでした。試合に出られるかどうかは自分の実力次第ですが、スタート時から勝負するために、少しでも早く行きたいと思い、さまざまな方々の協力を得て、リーグ開幕前の9月から合流することができました。

 すべては自分のため、とはいえ現役大学生でもあり、僕の選択に対してさまざまな受け止め方があることは理解しています。でも応援して下さる方々や、今バレーボールをしている子供たちの未来のために、1つのルート、道をつくりたいという思いも僕には強くあります。日本人選手が1人でも多く海外で活躍すればそれだけ夢が広がるし、バレーボール人口も増えるかもしれない。

 だからこそ僕は、バレーボール選手・高橋藍としてはもちろんですが、日本体育大学の看板を背負って世界で戦いたい。2年後のパリオリンピックでも活躍することが、大学への恩返しでもあると思っています。

 海外ドラマの『プリズン・ブレイク』に、僕の大好きな、主人公のセリフがあります。

「信じるべきものは、自分だ」

 東京オリンピックや日本代表での経験、パドヴァでの経験。個の力を1つずつ上げていかなければならないと感じ、行動に移してきた中、“自分”をしっかり持たなければダメだということも強く考えるようになりました。いかなる時でも「自分はこうしたい」と発することができて、行動することができるように、強くなりたい。

 自分自身が強くなれば、日本代表にもプラスであるのは間違いなく、たぶんそれは僕だけではなく全員が思っていることであるはずです。もっと強くなるためにイタリアで経験を重ね、成長できる環境の中で自分を磨いて、また新たに変化した姿を皆さんに見ていただけるように。

 日本へ帰ってきた時、強さを証明できるように。新しいシーズン、頑張ります!

(構成/田中夕子)

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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