高橋藍（21歳）世界バレーを終えて再びイタリアへ「勝てた、と思う試合だからこそ涙も出なかった」「ワールドクラスの選手にならなければ」

　初めての世界選手権が終わりました。結果は12位。目標としていたベスト8に届かず、正直悔しいです。

　大会終了直後は、涙も出ないぐらい悔しくて「ああすればよかった」と思うことがたくさんありましたが、でも今こうして振り返ると悔しさ以上に得られたもの、収穫がめっちゃ大きかったと思います。決勝トーナメント1回戦で強豪フランス相手にあと一歩で勝利、というところまで近づけたことは自分個人としてだけでなく、日本代表としても成長していると実感できる大会になりました。

　1次リーグは2勝1敗。ブラジルに負けてしまいましたが、（開幕の）カタール戦はとてもいい入りができましたし、キューバ戦もただ勝てただけでなく、みんないいパフォーマンスを発揮できたこともプラスとなり、決勝トーナメントを迎える前のチームの状態、雰囲気は最高でした。

21歳の誕生日、サプライズは大失敗？

　個人的なことを言えば、大会中に21歳の誕生日を迎えました。ホテルでサプライズのケーキを用意してもらい、みんなにお祝いをしていただいたのですが、実は前日、ホテルのスタッフの方からネタバレをされていたんです（笑）。

　スタッフの方が僕に何気なく「日本にラン・タカハシっているよね。明日が誕生日だからケーキを出すんだ」と言ってきたんです。「いや、それ俺」って（笑）。うわーマジか、失敗した、という顔をしていたのもまた面白かったですね。サプライズには気づいていましたが、大会中に祝っていただいたのもいい思い出になりました。

©︎Kiichi Matsumoto

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　お祝い効果ではないですが（笑）、大会を通してずっと好調をキープできたのも大きな自信になりました。昨シーズンや今年のネーションズリーグでは1、2本ブロックに止められるとサーブレシーブでもミスが出てしまったり、攻守で崩れて交代を命じられるケースも少なくなかった。その反省を生かして、世界選手権に向けてCパス（パスが乱れ、攻撃の選択肢が限られている状況）からの攻撃や、サーブをもう一度見直し、いい感覚をつかむことができた。その成果を一番いい形で発揮できたのも最後のフランス戦でした。

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