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《ヤクルト連覇》村上宗隆の打球音に「恐怖を感じる」…60本バレンティンも支えた“名打撃投手”が証言「今年の村上の方が上」「本当によく出来た青年」 

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佐藤春佳

佐藤春佳Haruka Sato

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photograph byHideki Sugiyama

posted2022/09/26 11:06

《ヤクルト連覇》村上宗隆の打球音に「恐怖を感じる」…60本バレンティンも支えた“名打撃投手”が証言「今年の村上の方が上」「本当によく出来た青年」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

ヤクルト連覇を牽引した村上宗隆22歳。バレンティンと村上の打撃投手経験がある佐藤賢さんに、二人のエピソードと「60本」の可能性について聞いた

「フリーでの村上は、投げた球に対して逆らわないんですよ。アウトコース寄りに来たら逆方向、真ん中に来たらセンター、インコースに来たらさばくバッティング、という感じでひたすら丁寧に打っています。選手によっては、自分のスイングの形にこだわったり、気持ちよく引っ張りたいというタイプもいますが、村上はそうじゃない。球種やコースのリクエストをされたことも特にない。なんでも打ってくれますね。最後の何球かだけは、“ホームラン行きます!”なんて言って、引っ張って気持ちよく捉えて終わるという感じです」

 村上ならではの特別な光景がある。チームのフリーバッティング中、通常は左右二人の打撃投手が投げる合間を縫い、同じフィールド内で内野守備のノックが行われている。しかし、村上が打席に入る時だけはノックの数が半減するのだ。

「特に引っ張り方向の打球が飛ぶファーストやセカンドの守備をしている選手には、僕が投げて村上の打球の行方をしっかりと確認してからノックを打ってもらっています。ちょっとでもタイミングがずれてノックと重なると、恐ろしい打球が襲ってくるので危ない。ノッカー役のコーチも村上の打席の時は特に気を遣っていると思います」

覚醒の要因1)対・左投手の克服

 佐藤さんが村上を担当するようになったのは2020年から。実はこのシーズンこそ、村上にとって対左投手という点で大きなターニングポイントになった。初めて一軍でフル出場した19年は、対右投手の打率.254に対して対左投手は.198。オフの契約更改の際には、「セ・リーグにはいい左投手が沢山いるので」と弱点克服を自身の課題に挙げていた。

 迎えた20年は対左投手の打率が.288まで向上。21年からは対右投手の.257に対し、対左投手が.316と逆転し、今シーズンは25日現在、対右投手が.308、対左投手が.350とむしろ左投手を“お得意様”にしている。村上にどんな変化があったのだろうか。

【次ページ】 覚醒の要因2)ヤクルトならではの「先輩・後輩関係」

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