名将アンチェロッティが見せた攻撃的采配

　ビニシウスに対しては、試合序盤より相対するマフェオ、CBライージョを中心に激しいプレッシャーがかかり、エキサイトするような場面も見られていたが、なんとかマジョルカも耐えきっていた。

　後半序盤にアンチェロッティは、ベンゼマの代わりに先発したものの、目覚ましい活躍を見せられていなかったアザールに代えてモドリッチを投入。さらにはカマビンガ、カルバハルを送り出し、攻撃的采配を取った。

　シメオネとは対照的に、最前列に立ち続けるわけでもなく、穏やかにゲームの流れを読む。

　72分、モドリッチのパスを受けたロドリゴのドリブルから、ボックス内でパスを受けたビニシウスが、5人のDFをあざ笑うかのようにゴールにシュートを流し込んだ。

久保が去ったマジョルカはどんな感じ？

　さらに攻勢を仕掛けるマドリーは、89分、またもロドリゴがマジョルカDFを切り裂いてゴールを奪うと、アディショナルタイムにも新加入リュディガーがトニ・クロースのFKからゴールを奪った。

　ベンゼマ負傷の中、先発起用も本来の姿を見せられずにいるアザールに不安は残るが、マドリーは今季も強いと印象づける勝利となった。18日、アトレティコと対戦するマドリードダービーでも強さを見せつけるのか、それともホームで迎え撃つアトレティコが意地を見せるのか――注目が集まる。

　マジョルカは、最終節の勝利でなんとか残留を勝ち取った昨季だったが、今季はアギーレ監督がそのままチームを引き継ぎ、5バック路線を継続している。重心は守備に置きながらのカウンターが主になる中、マドリー相手にムリキ、イ・ガンインが組むツートップは可能性を感じさせるシーンも作った。

　久保こそいないが、昨季撮り続けた懐かしいメンバーが揃う。さらにはマジョルカのオフィシャルカメラマンとの再会もあった。今後の安定した戦いを期待したい。

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