欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
日本が戦うスペインのエースFWが好調… W杯とダービーで必見「レアル+アトレティコのマドリー勢・超一級の技」を撮った
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2022/09/18 17:03
アトレティコのモラタとレアルのアザール。W杯イヤーのマドリー勢はどんな状況か
スペインのエースFWモラタの万能性
この日も、キックオフと共にシメオネ監督はエリア最前線で声を張り上げ、指示を出し、鼓舞する。
試合は9分、大きなサイドチェンジからのダイレクトパスに抜け出したアルゼンチン代表でもあるデパウルが折り返すと、同じくアルゼンチン代表のアンヘル・コレアがダイレクトで蹴り込みあっさりと先制点を奪った。
その後アトレティコは、W杯で日本と同組となるスペイン代表エースのモラタを中心に攻撃を繰り広げる。体躯を生かしたポストプレーだけでなく、足元の技術も高く、縦へ飛び出すスピードも併せ持つ。日本にとっては難しい相手になるのは確かだ。
守備面では、セルタの元スペイン代表イアゴ・アスパスを中心とした猛攻を受けたものの、ビツェル中心に守りきった。
後半開始からスペイン代表コケが投入されると、左ウイングバック、カラスコへの展開が多くなり、攻撃の色を強めた。50分、そのカラスコからの折り返しをコケがつなぎ、デパウがダイレクトで流し込み点差を広げると、シメオネは、グリーズマン、フェリックスを投入しさらに攻勢に。66分には、自陣よりカラスコが単独突破、DFを振り切り試合を決定づけた。
セルタに1点返されたものの、追加点を奪い4対1と勝利を収めた。
シメオネにとって気がかりなのは、けが人を抱えてのリーガとCLの連戦が続くこと。敵地でのCL戦後にはマドリーダービーが待っている。
レアルではビニシウス&ロドリゴが好調だった
翌11日は14時からRマドリーvsマジョルカ戦を撮影。ピッチの大半に陽が当たる炎天下での撮影となった。
マドリーは言わずもがな、昨季リーガ、CLともに優勝している。若いビニシウス、ロドリゴの著しい成長に加え、ドイツ代表リュディガー、フランス代表チュアメニなど――カタールW杯でも活躍が期待される選手たちだ――堅実に補強を進めた。
アンチェロッティ監督にとっての気がかりは、絶対的エースであるベンゼマの負傷だった。
しかし、この日のマジョルカを相手にその心配は杞憂に終わった。
結果から書くと、4対1での圧勝。イ・ガンインが蹴ったFKをムリキに決められ先制を許したが、その後はアラバ、リュディガーを中心にムリキを完封。そして前半終了間際、マジョルカの一瞬の気の緩みを逃さずバルベルデが自陣から独走しミドルシュートをぶち込んだ。
条件は同じだが、暑さの影響もあっただろう。
後半は選手層でも勝るマドリーが圧倒、特に両ウィングにポジションを取るビニシウス、ロドリゴの若手ブラジル人コンビがマジョルカ守備陣を崩壊させた。