好不調の波の小ささ、特に疲れが出るシーズン終盤に打率を急上昇させているところだ。

　半年に及ぶレギュラーシーズンでは当然、コンディションがすぐれない時期や疲労がたまって体が思うように動かせない時期がある。鉄平氏も首位打者のタイトルを獲得したシーズン、交流戦で打率を大きく落とした。

シーズン終盤には蓄積する疲労に苦しむものだが

　調子の波を抑えるためには、コンディションによって打ち方を調整する。構え方、重心の置き方、タイミングの取り方を変えて、その日の体に合った動きを選ぶ。ただ、シーズン終盤は蓄積した疲労に苦しんだ。

「体力的に試合に出るのも、きつい状態でした」

　疲労が最も表れるのは足。足の出力が弱くなれば、打撃のバランスは崩れる。ホームランや打点と違って、打率は調子を落とすと数字が下がる。タイトル争いをする上で、精神的な焦りを生む要因にもなる。その中で、シーズン終盤に打率を一気に上げる村上は、首位打者の経験がある鉄平氏の想像をはるかに超える存在となっている。

　ホームラン打者としての能力の高さは、昨シーズンまでに証明していた村上。さらに、打率も残せる異次元の打者へと進化を遂げた。

　第2回では本塁打王・打点王の経験を持ち、通算403本塁打の山崎武司氏にスラッガー村上の凄みを聞いた。＜#2につづく＞

#2に続く

村上宗隆18歳のフリー打撃に「なんじゃ、この打者」通算403発・山崎武司が「理解できない」と絶賛の本塁打…“39歳の村上”も楽しみなワケ

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。