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村上宗隆18歳のフリー打撃に「なんじゃ、この打者」通算403発・山崎武司が「理解できない」と絶賛の本塁打…“39歳の村上”も楽しみなワケ
posted2022/09/15 11:01
22歳にして風格漂う村上宗隆。セパ本塁打王を獲得した山崎武司氏から見ても“別次元”のようだ
text by
間淳Jun Aida
photograph by
Hideki Sugiyama
「俺には理解できない。遠くの人なんだなと感じましたよ」
的確で、時に辛口な評価をする山崎武司氏が、分析に白旗を上げてしまいそうになるほど異次元の存在になっている。中日と楽天、セ・パ両リーグでホームラン王に輝き、通算403本を積み重ねたホームラン打者でも、15試合を残してシーズン55本塁打に到達したヤクルト・村上宗隆内野手の打撃に理解が追いつかない。
「自分たち評論家が、あれこれ言う感覚とは違うことを考えている。だから、あんなとてつもない成績を上げているんだと思います」
高卒1年目のフリー打撃を見て「なんじゃ、この打者は」
2013年に現役を引退してから野球解説者をしている山崎氏は、高卒1年目から村上の姿を見てきた。当時から、将来は球界を代表するホームラン打者になると確信を持っていた。フリー打撃を見た時の衝撃が忘れられないという。
「なんじゃ、この打者はという驚きしかありませんでした。スイングのスピードとバットに当たった瞬間にボールを押し込むインパクトの強さが、普通のプロ野球選手の2ランク上でした」
ただ、高卒の打者が3年、5年でホームランを量産できるほど、プロは甘くないと自身の経験から考えていた。愛工大名電から中日に入団した山崎氏は、プロ入り5年間でホームランは1本。自身初の2桁となる16本を記録するまで9年を要した。1996年に39本でタイトルを獲得したのは、プロ10年目だった。
山崎氏は村上の潜在能力の高さを一目で知りながら、「直球に弱い」と弱点も感じ取っていた。球速のある直球に差し込まれる傾向があり、直球を意識させられると変化球への対応力も落ちる。怖さはあるが、まだ穴もある打者と判断していた。
ところが、わずか数年後、村上は想像を超えるスピードで進化している。
三冠王に向けて快走する姿に分析が追いつかない。山崎氏は自身や過去のホームラン打者と比較して、今シーズンの村上は「完璧なホームランが多い」と評する。パワーのある打者は多少泳いだり、バットの芯を外れたりしてもスタンドまで打球を飛ばすケースがあるが、村上は体勢を崩されずにボールを捉えている。
山崎氏は「飛距離は出ていても、村上選手の中では特別飛ばしている感覚はないと思います。捉えれば、あれくらいは飛ぶという感覚。飛距離が伸びたのではなく、今シーズンは精度が高くなっています」と話す。
山崎が「理解できない」と語ったほどのホームラン
村上が積み上げた今シーズン55本のホームランの中で、山崎氏が「理解できない」と最大限の賛辞を送ったものがある。
