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大谷翔平の起用法、佐々木朗希と短期決戦…達川光男が真剣に語る“WBCメンバー選考”3つの視点「外野手の組み合わせは本当に難しい」
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph byL)Hideki Sugiyama R)Getty Images
posted2022/08/30 17:25
大谷翔平、佐々木朗希、村上宗隆……。カープ名捕手・達川光男が語るWBCのメンバー選考“3つのポイント”とは
「登録が28人とすると、投手の枠は13~14人。まず先発投手の柱となる4人を誰にするかだね。決勝を大谷、準決勝をダルビッシュ(有、パドレス)と据えられると一番いいんだけどね。東京五輪の時は、山本由伸、森下暢仁、田中将大を軸にした。今回も山本は文句なしだよ。あとは東京五輪でリリーフとして支えた千賀滉大や青柳晃洋をどう考えるか。青柳は今シーズンの成績は抜群だし、外国人に対して有効な変則投法ということで東京五輪では選んだろうけどそこをどう考えるか。その意味でいえば、中日の高橋宏斗も面白いと思うよ。外国人バッターが嫌うタイプだよね。あのフォークボールがいい。やはり国際試合で生きるのは縦の変化。横の揺さぶりは腕が長いから対応されてしまう。黒田(博樹)からも“落ちるボールがないとメジャーでは通用しない”という話をよう聞いたからね。佐々木朗希あたりも選ばれたら面白いんだけど……」
佐々木朗に「過密日程の懸念」
達川氏が頭を悩ませるのは、次代の日本のエース候補と言える佐々木朗の選考だ。今季は4月10日のオリックス戦で史上16人目という完全試合を達成。前半戦だけで6勝(1敗)を挙げる活躍をしてきた。球数100球以下、中6日での登板、を目安に順調に経験を積んできたが、夏場以降は調整期間を長くとるなど細心の注意を払いながらの起用が続いている。
「もちろん代表では見てみたいんだけどね。WBCでは球数制限があるのも逆にいいのかもしれないけど、心配もあるよね。短期決戦の中では、先発した後に中3日、4日で投げたり、リリーフに回ったりということもある。1試合限定、というわけにはいかないからね。過密日程のなかで多少の無理ができるのか、故障に気を使いながらの起用になるのか。特に負けたら終わりという戦いのなかで、佐々木朗を選ぶかどうかは注目の一つになってくると思う」
ポイント2)打線の鍵は「守れる外野手」
野手に目を移すと、投手以上に代表選考は悩みどころが多い。達川氏がまず気になっているのはやはり……。
「キャッチャーが今のところちょっとね~。東京五輪では甲斐(拓也)が頑張ったけど、今は調子を落としている。甲斐、会沢(翼)、中村(悠平)、肩を買って小林(誠司)あたりになるのかな。国際試合はアンパイアのクセやボール、投手交代や配球などイレギュラーなことが多いから、やっぱり打つ方は度外視して守り重視で選考した方がいいだろうね」