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〈36歳に〉ダルビッシュ有を支える、クラブハウスでの“家族との会話”「うちはアメリカっぽい」「父親に戻ることが、一番の切り替え」
posted2022/08/16 17:00
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
Getty Images
早いもので、ダルビッシュ有はメジャー11年目を過ごしている。8月16日には36歳になった。積み上げた白星は89勝。ダルビッシュの上にいる日本人投手は、123勝を挙げた野茂英雄氏だけ。現役日本人投手では今、名実ともにダルビッシュが頂点に立っている。
経験からくるメンタリティー
既に今季も10勝をマーク。だが、直近2戦は勝利の女神が微笑んでくれない。13日の敵地でのナショナルズ戦は3-0の6回2死まで無失点投球を続けながらの4失点。最後の詰めが甘くなり2本塁打を喫するなどで敗戦投手となった。「もったいない」という声が記者席に満ちた中でダルビッシュは言った。
「もったいないというと、全部もったいないので、失点は。もちろん負けはいつも悔しいですが、野球をやっていれば絶対にあるので。いかにこういうことをなくすかという努力を普段している。次も(本拠地で)ワシントンに投げると思うので、しっかりやり返したいと思います」
早くも気持ちを入れ替え前を向く言葉に、ありきたりではあるが『経験』を感じた。そして、勝敗に関わらず、いつでも同じ立ち振る舞いができるメンタリティーに敬服した。
「父親に戻ることが、一番の切り替えなので」
その一方で思った。ダルビッシュ流の切り替え術とは何か。本人に聞いてみた。
「さっきまでは怒ってましたよ。自分自身に対しても、全体の試合展開としても、自分はスッキリしない部分もありましたし、思うところもありました。でも、部屋に戻って、家族と話して。いつもの日常です。父親に戻るということが、自分にとっての一番の切り替えなので。はい」