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大谷翔平“ルース以来104年ぶり快挙”も現地の関心が薄い理由は? 米記者の見解「オオタニがメジャーの顔であることは間違いないが…」

posted2022/08/21 11:00

 
大谷翔平“ルース以来104年ぶり快挙”も現地の関心が薄い理由は? 米記者の見解「オオタニがメジャーの顔であることは間違いないが…」<Number Web> photograph by Getty Images

ベーブ・ルースが「2桁勝利&2桁本塁打」を達成したのはレッドソックス時代の1918年(右写真)。8月9日、大谷翔平は104年ぶりの偉業を成し遂げた

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阿部太郎

阿部太郎Taro Abe

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 エンゼルスの大谷翔平が、ベーブ・ルース以来104年ぶりの「2桁勝利&2桁本塁打」を達成する2日前。パドレスのダルビッシュ有の登板を取材するため、ドジャー・スタジアムに足を運んだ。

 おりしも、ドジャースは快進撃を続けスタジアムは大盛況。「ドジャー・ベースボール」を見るために4万8093人が詰めかけ、ファンはムーキー・ベッツやフレディ・フリーマンらスター軍団が魅せる野球に酔いしれた。

 その光景を目の当たりにして、一路、アスレチックスの本拠地オークランド・コロシアムに向かった。

 9351人。大谷が偉業を達成した日の観客数だ。アスレチックスはチームを再建中で、今季は開幕当初から低迷の一途をたどる。エンゼルスも5月の下旬から急落して、寂しいシーズンを送っている。アメリカン・リーグ西地区で4位と最下位に沈む2チームの対戦に熱気はない。「大谷効果」か、前日よりは4000人ほど増えたが、それでも1万人に満たず、空席が目立った。

 大谷にとっては、メジャー初安打、初勝利、メジャー通算100本塁打と不思議と縁のある球場である。

 しかし、104年ぶりの快挙に、この老朽化が激しいスタジアムは何とも寂しい場所だった。

米記者「ドジャースとエンゼルスではアクセス数が…」

 今回のルースの記録は、米メディアの関心が薄かった。

 達成後の会見。オークランド・コロシアムの狭い通路は活気に溢れたが、大半は日本のメディアだった。台湾のメディアも来ていたが、地元から駆けつけたのはずっと追いかけている放送局と、地元の新聞紙の1人だけ。ほかの米メディアはアスレチックスの担当記者が掛け持ちし、ルースの記録に関する質問もほとんどなかった。

 その理由をロサンゼルス・タイムズのディラン・ヘルナンデス記者に聞くと、興味深い回答が返ってきた。

「まず、こっちは勝利数が重要視されていない。昨年、ドジャースのフリオ・ウリアスが20勝を挙げたけど、サイ・ヤング賞の投票のトップ5にも入らなかった。勝利は、チームとか、本人の実力とは違うところで左右されることも多いから」

【次ページ】 「もしかしたら普通の数字かも」大谷自身も淡々

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