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「クボは特別な潜在能力を開花できれば」「だましやがったな(笑)」久保建英の才能を世界的名手はどう評したか〈ソシエダ開幕戦ボレー弾〉
posted2022/08/15 17:04
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Mutsu Kawamori
<名言1>
その特別な潜在能力を完全に開花できれば、彼は間違いなくどんなクラブでもプレーできるはずです。
(パブロ・アイマール/NumberWeb 2021年12月22日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/851202
◇解説◇
久保建英がスペイン4年目、最高の結果でスタートを切った。
現地時間14日、レアル・ソシエダに加入した久保建英はスペインのラ・リーガ開幕節カディス戦にスタメン出場すると、決勝点となる移籍後初ゴールを叩き込み、チームの1-0勝利に貢献した。
2トップの一角に入った久保。結果を残したのは前半24分のことだった。ミケル・メリノからの浮き球パスに対して相手最終ラインのギャップをつくと、左足でのファーストタッチから利き足ではない右足ボレーシュートを放ち、ゴールネットを揺らした。
試合を通じても久保は巧みなパス、ドリブルでチャンスメイクにいそしみ、ダビド・シルバやイサクらとの連係も上々。後半33分に交代するまで水を得た魚のように躍動した。現地紙「ムンド・デポルティーボ」の電子版では“3つ星”の満点評価。また同紙に加えて「マルカ」「AS」などの電子版はイマノル監督の「まるで彼が3シーズン前から我々と戦っているようだ」とのコメントを紹介している。
彼ほどの才能を持つ選手はなかなかいない
ソシエダでいきなりの順応ぶりを見せている久保に対しては、これまでも各国の名手や識者が注目している。その1人がアイマールだ。
アイマールは170cmと小柄ながら抜群のテクニックと創造性、的確な判断力で相手守備陣を幻惑した。そんな彼は現在、母国アルゼンチン代表のコーチとしてリーガをチェックする中で「タケ・クボ」の名前とプレースタイルを把握したという。
「ヨーロッパのトップレベルでも活躍できる可能性を秘めた選手ですね。彼ほどの才能を持つ選手はなかなかいないので、日本では大きく期待されているはずです。毎試合というわけではないけれど、マジョルカや五輪代表などの試合で何度も(見た)。正確な技術を持ち、知的に素早い判断を下せる選手ですね」
現役時代のアイマールは久保と同じようなストロングポイントを生かし、所属するバレンシアをリーガ王者へと導いた。その頃から20年が経ち、ラ・リーガではレアル・マドリーとバルセロナ、アトレティコ・マドリーの優勝争いに割って入るのは難しくなっているが、そのクラブ間序列を覆すような奮闘をソシエダが見せられるか。
そのためには――久保の力が絶対に必要になる。