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WWEに切られた男の逆襲…160キロの“空飛ぶ怪物”ジョナが『G1』本命オカダ・カズチカを圧殺「オレはデカすぎて、強すぎて、無敵すぎる」
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2022/08/09 11:02
8月7日、ジョナは『G1 CLIMAX 32』でオカダ・カズチカに激勝。3勝1敗の勝ち点6でAブロックの実質的なトップに立った
「やっと手錠が外れて自由になった。これでやっとオレがやりたかったプロレスができる。もう組織に気に入られることばかりに悩まなくてもいい。大事なのはリングで何を残すかだ。ここに来るまでのオレのキャリアはウォームアップに過ぎなかったが、ついにプロレス界を制覇する時がきた」
「オレはデカすぎて、強すぎて、無敵すぎる」
オカダを押さえ込んだジョナのフィニッシュの「トーピード(Torpedo)」は魚雷を意味する。同名のアイテムが人気ゲームに登場するが、たしかにジョナの体型にそっくりだ。このダイビング・ボディプレスは古くはフライング・ソーセージの異名があった。気球の例えだが、フワリと浮いた姿はその表現にぴったりで、巨漢のレスラーが使うと説得力があった。
「今年のG1はオレのものだ。来年は(バッド・デュード・)ティトも参戦しているかもしれないぜ。みんなが口をそろえて、『ジョナはオカダに勝てない』と言っていた。でも、オレ自身は絶対に自分が勝つって信じていた。そしてその通りのことを成し遂げた」
33歳のオーストラリア人、ジョナは上機嫌で続けた。
「オレはデカすぎて、強すぎて、無敵すぎる。オカダ、お前はオレには勝てない。もう一度オレと戦いたいのなら、もう一度ぶっ飛ばしてやるだけだ。さすがのオレもこの日本の猛暑にやられている。日本の夏はマジで最悪だ。決して最高のコンディションとは言えない。ホテルに帰ってアイスでしっかり冷やすよ。次のランス・アーチャー戦はきつい試合になるだろう。オレはオレがトップ・ドッグであることを証明しなければならないんだ」
ランス・アーチャーの身長は203センチ。ちなみにバッドラック・ファレも身長193センチ、体重160キロと、Aブロックには巨漢、長身のモンスターたちが集まっている。
「ランス、お前のそのやたら長い足をオレがぶっ壊してやる。トップ・ドッグは猫が好きなんだ。オレは3匹の猫を飼っている。物語の中で頭のきれる悪役ってのは、いつも猫を飼っているものだからな。オレの美しいブロンドヘアーの妻に電話して、一緒に『G1』の勝利を盛大に祝うよ」