プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
WWEに切られた男の逆襲…160キロの“空飛ぶ怪物”ジョナが『G1』本命オカダ・カズチカを圧殺「オレはデカすぎて、強すぎて、無敵すぎる」
posted2022/08/09 11:02
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
8月7日の新日本プロレス、大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)大会。ここまで『G1 CLIMAX 32』Aブロックで3戦3勝と好調に見えたオカダ・カズチカは、得意のレインメーカー不発のまま、ジョナに力づくで投げ捨てられ、ダイビング・ボディプレス(トーピード)を浴びてKOされてしまった。
前日、タッグマッチでの前哨戦の後「明日はボディスラムで投げてやる」とジョナにアピールしたオカダだったが、その宣言通り、体重160キロのジョナを投げることはできた。だが、ジョナの方も「お前に勝つ」と宣言した通りにオカダに勝ってしまった。
WWEに解雇され「どん底」を味わったジョナ
このジョナという男を見ていると、2007年に亡くなったあの“刺青獣”バンバン・ビガロを思い出してしまう。ビガロも160キロを超える巨漢だったが、風船のように身軽だった。“ドクター・デス”ことスティーブ・ウィリアムス(2009年没)の顔も見え隠れする。こちらは鋼のような体だった。ジョナの背丈は彼らには10センチほど足りないが、2人のいいところを兼ね備えている。
「オレは物事を多面的に見ている。過去も、現在も、未来も、すべては同時に起こっていると考えている。オレたちが見ている夜空の星々の光は、数百万年も前のものだ。そして今夜、オレはオカダを倒し、今までにないくらい輝きを放った。そしてこの瞬間は記憶として永遠に残る。なぜならオレは世界最高のスーパーヘビー級レスラーだからだ。オレはトップ・ドッグ、オレはマイティだ。無敵のオレは誰にも跪くことはない」
ジョナはちょっとロマンチックなレトリックも披露して、自身の強さを誇示した。
「1年前、オレは悪い知らせに直面した。WWEに『No!』を突きつけられたんだ。オレはどん底に落ちたよ。でも、オレは他のヤツらとは違う。落ち込んだままで終わらせなかった。だってオレにはファイティング・スピリットがある。あれからちょうど1年経った今、オレはオカダという世界最高のレスラーに勝ったんだ!」
WWEから解雇通告を受けたジョナは昨年11月14日、新日本プロレスのサンノゼ大会に姿を見せると、ジュース・ロビンソンを襲い、デビッド・フィンレーも蹴散らして参戦をアピールした。