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松田直樹の命日に思う…横浜F・マリノス角田涼太朗23歳がどこか、かぶるのはナゼ? 筑波大の卒論テーマは「センターバック」 

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byY.F.M/BUNGEISHUNJU

posted2022/08/04 11:20

松田直樹の命日に思う…横浜F・マリノス角田涼太朗23歳がどこか、かぶるのはナゼ? 筑波大の卒論テーマは「センターバック」<Number Web> photograph by Y.F.M/BUNGEISHUNJU

横浜F・マリノスの期待の若手センターバック角田涼太朗(左)と8月4日に命日を迎えたマリノスのレジェンド松田直樹(右)

「熱い人というイメージがありますし、こうやって毎年のように(追悼の)イベントがあって名前が残り続けているのは偉大。ファン、サポーターの方々からも愛されていて、凄い人なんだなっていつも感じます」

 2人に重なるところが少しでもあるからといって、無責任に角田を「松田直樹の後継者」とは記したくはない。プレーヤーとしては別タイプだし、余計な重圧を与えてしまうのは本意ではない。

 8月4日の命日は、松田がこの世にいない現実を突きつけられる日でもある。

 生きていれば45歳。現役を退いて今ごろは指導者のキャリアを積んでいたとは思う。どうせ熱く、教えているんだろうなとも思う。いずれにせよ命日はどうしてもセンチメンタルになるのだが、トリコロールのユニフォームに背番号に3を重ねる角田がいる事実は、どこかその気持ちをやわらげてくれる。ピッチでの輝きに、喜びを感じさせてくれる。

「偉大な選手ですし、リスペクトもしていますから」

 外野の目線は気にしなくていい。彼が自分で松田直樹を重ねる必要もない。

「偉大な選手ですし、リスペクトもしていますから、同じ高校の出身とはいえ、重ねられてしまうとやっぱりおこがましい気持ちになります。選手としてタイプも違うなと感じるので。ただ自分も多くの方に愛される選手に、クラブにしっかり自分の名を残せるような選手になっていきたいという思いは持っています。

 自分のなかでは本当にまだまだ。試合をやるごとにここに(パスを)出せたんじゃないか、ここが通っていればチャンスになったんじゃないかって、もっとやんなきゃっていう気持ちにさせられています。もっと味方を助けられるような選手になっていかなきゃなりませんから」

 愛されるだけの資質もある。大きなスケール感もある。角田涼太朗は己が信じる道を往けばいい。

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