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「1年では終えたくないなぁ」女子バスケ町田瑠唯(29)が振り返る米初挑戦…成長の理由は“簡単に満足しない”メンタル?
posted2022/08/03 11:04
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
Getty Images
「満足したっていう試合はまったくないんです」
そう言いながら、町田瑠唯(WNBAワシントン・ミスティックス)はコロコロと笑った。楽しそうな笑い声と話している内容にギャップがあるのが、何とも言えずに町田らしい。
「自分ができたって思える試合はないと思います。今までバスケットをやってきて、この試合はよかったなとか、この試合が自分のベストだなっていう試合がない。常にいいことよりも悪いことのほうが自分の中では目立ってしまうので……」
4月下旬にアメリカに出てきて、WNBAの世界に飛び込んでから3カ月余がたつ。世界一のリーグでの苦労話かと思いきや、そういうことでもないようだ。WNBAに出てくる前、日本でプレーしていたときから自分の試合に満足したことがなかったのだという。
思わず、「あれだけ活躍していたのに?」と聞き返した。何しろWリーグのベスト5やアシスト王を何度も取り、東京オリンピックの銀メダリストでアシスト王であり、準決勝ではオリンピック史上最多の18アシストをあげている。
すると、町田はまたコロコロと笑いながら言った。
言葉から垣間見える“完璧主義者”
「自分では、そんな別にすごい活躍しているっていう感覚はないので。みんながいての私なので、自分がチームを引っ張ったっていうのもないですし。いいゲームはみんなのおかげで、悪いゲームはポイントガードの責任。悪いほうを意識して、そっちに目を向けてしまうのはあるかなと思います」
謙遜しているわけではなさそうだ。むしろ、かなりの完璧主義者だということがうかがえる。簡単に満足しないメンタルがあるから、ここまで成長してきたのだろう。