月刊スポーツ新聞時評BACK NUMBER
羽生結弦「引退なのかって言われたらそんなことはない」稀代のスケーターの転身と4回転半への可能性《東スポはすでに復帰報道!》
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph byBUNGEISHUNJU
posted2022/08/02 06:00
7月19日の記者会見で、プロへの転向を明らかにした羽生結弦。翌日のスポーツ新聞各紙は、一面でこの決意表明を報じた
《アマチュアは国際スケート連盟(ISU)に登録された各国のスケート連盟に選手登録している者を指す。プロとなった場合にはプロアマ混合の「ジャパン・オープン」などを除いた、五輪や世界選手権など、大半の競技会には出場できなくなる。》(日刊スポーツ7月20日)
競技会には出なくなるが、これからも4回転半ジャンプにチャレンジするという決意も語った。結論としては羽生結弦をまだまだ見ることができるということでした。
さてここからは羽生ファンにお伝えしたい情報です。スポーツ新聞というとおじさんが買って読むイメージがありますが、各スポーツ紙は見開きで羽生結弦の写真を載せることが多い。つまり抜き出せばポスターみたいになる。全世代の羽生ファンに教えたい。おじさんだけに見せておくのは勿体ないです。
私はスポーツ紙だけでなくタブロイド紙も好きなのですが、そんな私にとって羽生選手の思い出と言えばあの「事件」でした。2014年のソチ五輪です。羽生が金メダル当確の完璧な演技を見せたときに「日刊ゲンダイ」がつけた見出しがこれ。
『本紙もケチつけられず』
タブロイド紙といえば辛口であり、何にでも下世話にツッコんじゃうキャラなのですが、あのときの羽生結弦の演技にはケチがつけられなくてこんな見出しになってしまったのです。私はこれも「羽生伝説」のひとつだと思って保存しています。タブロイド紙をこんなに脱帽させる有名人って、なかなかいないのではないか。
やっぱり東スポはやってくれた!
タブロイド紙(日刊ゲンダイ・夕刊フジ)のほかには東スポという夕刊スポーツ紙もあります。こちらも独自のキャラを貫いているのですが、東スポは今回羽生結弦をどう伝えたか。ちょっと見てみよう。
会見翌日のコピーに注目です。『銀河の先まで語り継がれる金字塔』(7月20日)。
おおー、王道のなかの王道という見出しだ。やはり羽生結弦のスーパースター度がわかります。
しかしそれで終わる東スポではない。5日後の一面トップでやってくれました。