スポーツ・インテリジェンス原論BACK NUMBER
「日本のバスケットは、世界で通用します」いきなりドイツでMVPに選ばれた女子バスケ・安間志織が海外で実感した日本人の「強み」
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byEisvögel USC Freiburg
posted2022/08/02 17:02
ドイツリーグに飛び込んで1年目でチームを優勝させ、見事にMVPにも選ばれた安間志織
「ドイツ、イタリアともに、サラリーが支払われるのはシーズン中だけなんです。でも、Wリーグのチームはシーズンオフもサラリーを保証してくれますし、設備も申し分ないです。それが分かっただけでも考え方に幅が出来ました」
東京オリンピックから1年。安間の人生は大きく変わった。
「自分の人生、充実していると思います。20代後半に入ってから一年、一年がすぎるのが早くて、楽しいです。もちろん、オリンピックには出られなかったということもありました。でも、それを含めてポジティブに捉えられるようになりましたし、気落ちにすごく余裕が出てきました」
次の停泊地はヴェネツィア。希望は膨らんでいる。
「身長が低くても、自分がやり続けることは変わらないと思います。自分としては楽しみながら、やっていけたらいいですね。それに日本の将来のある選手たちには、こんな小さくても海外でプレーできるんだってことを分かってもらえたらうれしいですね。日本のバスケットは、世界で通じます。私自身、まだまだ上手くなりたいですが、ドイツで過ごした時間は、自分の人生でも大きな経験になりました。ちょっと前までは、いろいろと完璧にやらなきゃと思ってた自分が、マイナスの部分までひっくるめて楽しめるようになりましたから」
失意は、次の行動を生んだ。
安間志織の「これから」が楽しみだ。
<#1、#2から続く>