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「五輪期間中の睡眠は連日1、2時間でした」平井理央39歳が振り返る、過酷な『すぽると!』スポーツキャスター時代 

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秋山千佳

秋山千佳Chika Akiyama

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photograph byMiki Fukano

posted2022/07/30 11:00

「五輪期間中の睡眠は連日1、2時間でした」平井理央39歳が振り返る、過酷な『すぽると!』スポーツキャスター時代<Number Web> photograph by Miki Fukano

元フジテレビアナウンサーで現在はフリーで活躍する平井理央さん。6年半務めたフジの人気スポーツ情報番組『すぽると!』の2代目メーンキャスター時代を振り返るロングインタビュー

平井 私はもともと早く寝るタイプで、0時前には必ず寝るし、何なら22時過ぎには寝ようかなという生活だったので、夜の番組で起きていられるかという不安が最初はありました。それでもいざ生放送の本番を迎えると、アドレナリンが出るんです。23時55分から0時35分までのオンエアで、帰宅してもすぐには眠れなくて。3~4時頃に寝て、昼前に起きるような生活にあっという間になりました。

――昼前に起きて、そこから会社へ向かうのですか?

平井 出社は夕方でよかったんですけど、スポーツの現場取材があると出社前に行って。たとえばプロ野球のキャンプ期間中は、始発便で沖縄へ行って日中に東京に戻ってきてオンエア、ということもやっていました。

――えーっ!

平井 当時、究極の選択だと思うことがあって……夜のオンエアの後、お風呂に入って1時間だけ寝るか、もしくはお風呂に入らずメイクもしたまま2時間寝るか。その2つを天秤にかけて、2時間を取ったことがあります。前日のメイクのまま現場へ行きました。

――周囲には指摘されなかったですか。

平井 人にはたぶんバレなかったと思うんですけど、お昼過ぎくらいからシャワーを浴びたくなりましたね。結局、会社の仮眠室でシャワーを借りて、その夜のオンエアに臨みました。

――それくらい眠れない日があったのですね。

平井 一番眠れないのはオリンピック期間中で、現地へ行っていても、東京のスタジオにいても、その2週間は連日1~2時間の睡眠時間でした。仕事の合間に30分仮眠を取って、立て直してまた頑張るという。

――福井さんがおっしゃったとおり、まさに体力勝負だったわけですね。

平井 『すぽると!』を担当した6年半で、3年経った頃から特に実感するようになって。朝食は抜かないとか、野菜を意識的に摂るとか、運動をするといったことを、遅ればせながらするようになりました。番組の企画で東京マラソンを走らせてもらったのをきっかけに、ジョギングにもはまりました。

――休日はどう過ごされていたんですか。

平井 基本的にはずっと寝ていました。寝だめですね。起きたら夕方で、一人で夕食を食べてまた寝て、起きたらまた仕事です。20代は仕事づけで、会社にいるか、スポーツの中継があれば海外も含めていろんな現場へ行っているかでした。

2008年の北京五輪で「自分のスポーツ観が変わった」

――なかでも印象に残っている現場というのはありますか。

平井 『すぽると!』を担当して3年目の北京五輪(2008年)は、初めて行った五輪の現場であり、自分のスポーツ観が変わった現場だという思いもあって、特に記憶に残っています。

――スポーツ観が変わった、ですか?

【次ページ】 スタッフに「変わった」とすごく言われた

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