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坂本勇人の不在で巨人はここまで違う…4番・岡本和真の驚くべき数字とは?「背番号25が見えすぎますね」掛布の鋭い指摘も
posted2022/07/17 11:02
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Hideki Sugiyama
ヤクルト・村上宗隆内野手が4番としての存在感を改めて示したのが、7月13日の中日戦での本塁打だった。
チームで新型コロナウイルスのクラスターが発生した真っ只中の試合だった。高津臣吾監督に加えて主力の山田哲人内野手、塩見泰隆外野手、青木宣親外野手に中村悠平捕手ら28人(18選手)がPCR検査で陽性判定を受けて離脱。急遽、ファームから選手を呼び寄せて組まれた打線だったが、その中で残った大黒柱がいきなりバットでチームメイトを鼓舞した。
1回2死一塁からセンターバックスクリーン左のカメラマン席に打ち込んだ30号2ラン。
「レギュラー選手が6、7人も抜けたけど、僕らはチームスワローズ。より一致団結してやることで力は大きくなり、強くなる。その中心に僕がいることは自覚している」
最終的には試合は逆転で敗れた。それでも村上は語っていた言葉をまさに有言実行。その一撃は4番打者の存在価値を、改めて示すものとなった。
巨人の打撃不振の要因とは?
「あまりいい流れでないところを誰か、流れを変える(選手が)、出てこないとね」
それから2日後の7月15日にこう言葉を絞り出したのは、この日の広島戦を延長の末に落とした巨人・原辰徳監督だった。
7月に入ってこれで13試合を消化して4勝8敗1分で借金2。理由は様々だが、ここにきて打線の不振が深刻なのは明白だ。
直前の阪神3連戦では2試合連続完封負け。第1戦の5回から23イニング連続無得点が続いていた。この広島戦で4回無死満塁から中田翔内野手の内野ゴロの間にようやく1点を挙げて27イニング振りにスコアボードに得点を刻んだが、この試合も6回と11回に1点ずつを加えた3得点だけで、延長戦の末に力尽きた。
極度の得点力不足に陥っているからこそ、指揮官はこの流れを断ち切る救世主を求めた訳だ。そこで救世主として、いの一番に名乗りを上げて欲しいのが4番打者のはずなのだが、その4番を任される岡本和真内野手にまったく元気がない。