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坂本勇人の不在で巨人はここまで違う…4番・岡本和真の驚くべき数字とは?「背番号25が見えすぎますね」掛布の鋭い指摘も
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byHideki Sugiyama
posted2022/07/17 11:02
現在、離脱中の坂本勇人(左)と4番の岡本和真(右)
そこが巨人が泥沼で苦しむ、大きな要因となっている。
坂本勇人が不在時の”驚くべき数字”
実は岡本には7月16日終了時点までにこんな数字が残されている。
1つは40試合で159打数32安打の打率2割0分1厘、7本塁打というもの。そしてもう1つは49試合で172打数49安打の打率2割8分5厘、14本塁打という数字だ。
これは今季、坂本勇人内野手が開幕を含めてケガで離脱している期間と、出場している期間の岡本の打撃成績である。打率にして8分以上、本塁打にすれば2倍も坂本が打線にいるときの方がいい数字が出ている事になる。
もともと岡本はオレが、オレがと前に出てチームを引っ張るようなタイプの選手ではない。
ヤクルトの村上が闘志を剥き出しにしてチームを引っ張る長男的4番だとすれば、岡本は誰か先頭に立つリーダーがいて、その後ろでニコニコしながら静かに答えを出す、次男坊タイプの4番と言えるのかもしれない。
次男坊がいきなり長男不在になって、自分がやらねばと責任感に燃える。しかし逆にそれが空回りして、結果は悪い方に出てしまう。そんな姿がこの数字からは読み取れる。
しかも坂本不在と空回りする4番のバットが、チーム成績にも如実に反映している。
チームは7月16日までの91試合を消化した時点で、坂本出場時には27勝22敗と勝ち越し、勝率も5割5分1厘という数字を残している。ところが坂本が戦列を離れた不在時には17勝24敗1分と7つの負け越し。勝率は4割1分5厘まで下がってしまうのだ。
だからこそ岡本にかかる重圧はより一層、重いものとなり、それが負のスパイラルとなってしまうのかもしれない。
そんな岡本の気負いを指摘していたのが、7月13日の阪神戦のラジオ中継で解説をしていた掛布雅之さんだった。
「最近の岡本くんを見ていまして、センターカメラから背番号25番が見えすぎますね」
掛布さんの分析だ。