甲子園の風BACK NUMBER
ヤフコメは「見ますよ(即答)」ともに“31歳で甲子園4強”…国学院久我山&浦和学院、2人の青年監督が明かす“イマドキ指導の本音”
text by
樫本ゆきYuki Kashimoto
photograph byYuki Kashimoto
posted2022/07/17 11:00
センバツで準決勝進出を果たした2人。多くの共通点を持ちながら、意外にもゆっくり会話するのは初めてだという
森 僕は……、言いたくないけどやはりそこは前監督になってしまいますかね(笑)。
尾崎 私は竹田総監督ですね。何も実績のないところから監督を始めた私に助言してくださった方です。就任した時「お前には元気がある。でも経験はない。恥ずかしさを全部捨てて、泥臭く野球に向き合え」と言ってくださったんです。でも最初はなかなか近づけなかった。春夏甲子園27回出場の実績がある偉大な監督ですから。でも、2019年夏に甲子園に出た時に自分の力不足を痛感してから、その考えを変えてどんどん聞くようにしました。いま週1回グラウンドに来てくださり、いろいろなことを相談させていただいています。
青年監督2人の“ストレス解消法”
――世間からの注目度も高く、高校野球の監督というのは本当に大変な立場だと思います。ストレスを発散する時間、リラックス方法があれば、教えていただけますか。
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尾崎 僕は教室にいる時間です。学校の授業をしているときは気持ちを切り替えられる。土日に試合をして、負けたあとの月曜日、担任のクラスで野球部員の顔を見るとホッとするんです。主将の上田(太陽)や、主軸の下川辺(隼人)もいますが、教室で野球の話はしません。体育の授業をしているときは、子どもたちは子どもたちらしさを出すじゃないですか。そういう顔を見て「よかった」と安心できることがストレス解消になっていますね。
森 僕は家に帰って、ゆっくりしている時間ですかね。家でビール1杯くらい飲んで、リラックスしている時間が至福のひとときです。
尾崎 いいですね~。
森 1990年生まれ同士こうして高め合える存在がいることは嬉しいですよね。1969年度生まれの大阪桐蔭・西谷浩一監督、元東海大相模・門馬敬治監督、花咲徳栄・岩井隆監督などの同期生が高め合って全国制覇を成し遂げたように、我々も切磋琢磨して甲子園の決勝で戦えるよう精進していきます。
森大(もり・だい)
1990年12月28日生まれ、埼玉県出身。浦和学院―早稲田大―三菱自動車倉敷オーシャンズ。元投手。2016年から母校に赴任し、コーチ、部長を経て2021年秋に監督就任。筑波大学大学院で1年、早稲田大学大学院で2年スポーツバイオメカニズムや心理学を学んだ。保健体育教諭。
尾崎直輝(おざき・なおき)
1990年5月8日生まれ、東京都出身。国学院久我山―国学院大。大学時代に母校コーチを務め、2013年に監督就任。19年夏に28年ぶりの甲子園出場に導く。昨秋は東京大会で37年ぶりに優勝。センバツで創部以来最高の甲子園4強を果たす。昨年11月にイチロー氏が来校し指導を受けた。保健体育教諭。
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