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「いっちゃうぞバカヤロー!」小島聡51歳が明かす波乱万丈のプロレス人生「武藤さんから3日後に返事くれと言われて…悩みに悩みましたよ」
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byShigeki Yamamoto
posted2022/07/16 11:04
6月にGHCヘビー級タイトルを奪取しチャンピオンベルトを肩にかける小島聡
全日本では一時スランプに陥って、武藤からダメ出しされたこともあった。それでも2004年に団体の垣根を超えて三沢光晴とのシングルマッチを実現させたことをきっかけに復調。2005年には武藤とともに全日本のエースとして引っ張る川田利明を撃破し、3冠王座を手にした。デビューから14年、ついにシングルのベルトに手が届いた。
「武藤さんはホントに凄いです」
「三沢さん、川田さん、そして天龍(源一郎)さんたちとも戦うことで全日本流のエッセンスを学べたところがあります。新日本のエッセンスと何が違うかって言われてもうまく説明できないけど、ただ確実に違う。試合のなかでの間の取り方だったり、呼吸法だったり。ただ武藤さんが凄いのは、その両方を既に持っていたこと。あの人はホントに凄いです」
3冠王座を奪った4日後にIWGP王者・天山とのダブルタイトルマッチに勝利。その後天山に奪還されることになるものの、3冠王座は武藤、ジャイアント・バーナード、健介、ムタらを破って防衛を積み重ねてきたことが評価され、2005年のプロレス大賞MVPを35歳で初受賞する。
全日本を退団して武藤と袂を分かち、新日本に復帰してから10年以上が経った。小島がノアに参戦してGHCチャンピオンになった日に武藤が現役引退を表明するというのも、因縁めいたものを感じないではいられない。
変わらないファイトを継続させているのが、変わらないコンディションづくりである。
いっぱい食べて飲んでという今もある豪快なプロレスラーのイメージからはかけ離れている。その生活はまさにアスリートそのものだ。
「コンディション維持のために健康的で規則的な生活を心掛けています。食事で言えば食べ過ぎない、トレーニングで言えばやり過ぎない。オーバーワークになりそうだなって感じるとその前でやめる。年齢や調子と向き合いながら、無理しないことを大切にしています」