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「日本代表の弱点はFWと…」「ハンジは長所と短所を徹底的に分析する」前ドイツ代表監督レーブが忖度なしでW杯展望〈単独インタビュー〉
text by
アレクシス・メヌーゲAlexis Menuge
photograph byJMPA
posted2022/07/19 11:00
2014年ブラジルW杯でのレーブ監督(右)。スタッフとしてドイツ代表現監督のハンジ・フリックは世界一への道を支えた
「監督の采配に関して言えば、ときにローテーションをしすぎたり、逆にメンバーを固定したりしすぎることだ。初戦から決勝まで同じ11人で戦うことは不可能だ。主力を休ませなければならない瞬間が必ず出てくる。それをいつにするか。監督に繊細かつ鋭敏な感覚が求められる」
――現代サッカーにおける戦術のトレンドをどう見ていますか?
「最近の戦術の発展には興奮を覚えている。インテンシティとテンポは10年前に比べてかなりアップした。ほぼすべてのチームが、プレッシングとゲーゲンプレッシングを実施している。クラブチームの世界では4バックをメインにするチームでも3バックをオプションとして持つことが多くなり、代表でも同じ傾向が見られる」
韓国を分析する際に日本との試合も見る機会があった
――カタールW杯では5人の交代が認められ、さらにスタジアムに空調が完備されています。多くのチームがハイプレスを試みるでしょうか?
「そうなるはずだ。過密日程にもかかわらず、多くのチームがハイテンポかつ高強度のサッカーを志向するに違いない」
――2022年W杯の初戦で、ドイツは日本と対戦します。日本の試合をじっくり見たことがありますか?
「2018年W杯では韓国と同じグループになったので、韓国を分析する際に日本との試合も見る機会があった。両国はスピード、アグレッシブさ、規律、集中力など、いくつか似た点があった印象だ。
ご存知の通り、2018年W杯グループステージ第3戦でドイツは韓国に敗れてしまった。まったく想像していない結果だったので、私は失望して辞任すら考えた。あの試合のドイツは、献身さとコンパクトさが欠如していた。もちろん第1戦にメキシコに敗れていたことも、私たちの心理状況に影響していた」
日本を倒すのに最適な11人を先発に選ぶだろう
――2018年W杯の初戦で、なぜドイツはメキシコに0対1で敗れてしまったのでしょうか?
「一言で言えば、私たちには油断があった。パスをつなごうとするもののプレーが軽く、何度もボールロストからカウンターを招いた。それによって長い距離を走らなければならず、ダイナミクスを失ってしまった。
さらに先制されたことで私たちは焦ってしまい、深く引いて守るメキシコを攻略できなかった。試合の途中から『今日はもうゴールが入らない』という感覚になっていた」
――2022年W杯の日本との初戦で、ドイツは同じ過ちを犯すでしょうか?