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<復帰即ランニングHR>鈴木誠也がケガ離脱中に語っていた本音「”やれる”と思ったことは一度もない」「いくら失敗しても、僕は全然いい」

posted2022/07/07 17:00

 
<復帰即ランニングHR>鈴木誠也がケガ離脱中に語っていた本音「”やれる”と思ったことは一度もない」「いくら失敗しても、僕は全然いい」<Number Web> photograph by Getty Images

7月4日、ランニングホームランで生還を果たす鈴木。離脱期間中、広島時代から取材していた筆者が本人に話を聞いていた

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前原淳

前原淳Jun Maehara

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 7月4日のブルワーズ戦、39日ぶりにカブス鈴木誠也がメジャーの舞台に帰ってきた。

 復帰後3打席目の7回に右前打を放つと、9回の4打席目は中堅フェンス直撃の打球が転々とする間に、二塁から三塁を蹴って左手を伸ばし本塁に滑り込んだ。日米通じてプロ初のランニングホームランとなった。

 翌5日ブルワーズ戦も、見逃せばボールとなる内角球を左翼ポール際に放り込む2戦連発の6号2ラン。さらに左前適時打で、離脱するまで23試合続けてなかったマルチ安打を2試合続けて記録し、復活を印象付けた。

好スタートも本人の感触は…

 故障者リスト入りは決して無駄ではなかった――。そう自ら証明するような、復活劇だ。

「同じ野球でも180度、違う。同じなのは、ベースの距離、フェアの角度や球場のつくり、投げる人がいて、打つ人や守る人がいるという最低限のルールくらい。それくらい、野球の中身は全然違う」

 5月26日、レッズ戦で左薬指を負傷し、故障者リスト入りした。リハビリが長期化した6月中旬、米国で再会した鈴木は、日本と米国の野球の違いをそう表現した。

 1年目のスタートは、労使協定の影響から移籍先決定が大きく遅れ、開幕戦に臨むまでの準備期間は1カ月もなかった。慌ただしく迎えたシーズンインから、慣れない環境や習慣に戸惑いながら、時差を伴う過酷な移動と大型連戦をこなす日々を駆け抜けた。

 開幕から10戦で打率.429、4本塁打、11打点という好成績を残していたが、手応えはまったくなかったという。

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