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猫ひろし「夜11時に仕事を終え、皇居の周りを40km走り…」オリンピック出場を叶えた、過酷すぎる“マラソンと芸人の両立” 

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音部美穂

音部美穂Miho Otobe

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photograph byShiro Miyake

posted2022/06/24 11:02

猫ひろし「夜11時に仕事を終え、皇居の周りを40km走り…」オリンピック出場を叶えた、過酷すぎる“マラソンと芸人の両立”<Number Web> photograph by Shiro Miyake

マラソンのカンボジア代表としてリオデジャネイロ五輪にも出場した、お笑い芸人の猫ひろし

芸人とマラソンを両立する練習法

 課題は練習時間の確保。本職の芸人としての活動もあるため、現在もレギュラーラジオや月8本ほどライブがあるなど、マラソン練習だけに打ち込めるわけではない。

 かつては仕事後、深夜に練習することも多かったという。

「コーチが決めたメニューは必ず守るようにしていたから、ロングを走る日なのに仕事が終わったのが夜11時だったときは、その後皇居の周り40kmを走ったりしていました。明け方に帰宅して、ろくに寝ずに仕事に行くという生活を続けていたんですよ。それでも30代のうちはなんとかなっていたけど、40代に入ってから疲れが取れなくなっちゃって……。

 だから、今は練習は必ず深夜1時までには終えて、7時間くらいきちんと寝るようにしています。あと、仮眠も大事。時間がない日は、移動の電車の中でちょこちょこ寝るんです。僕、いつでもどこでも誰とでも寝られるのが特技なんですよ、猫ですから」

 睡眠だけでなく、ランニングも細切れ時間を活用しているそうだ。

「朝走ってから仕事に行き、終わった後にまた走るといったように、1日の練習を2回、3回に分けることもあります。また仕事先からリュックサックだけ背負って走って帰ることでメニューをこなせるように工夫しています」

天候にかかわらず、とにかく毎日走る

 練習したくない。今日はサボりたい。どんなに走るのが好きでも、ランナーならば一度はそう思った経験があるのではないだろうか。仕事で疲れていたり、天気が悪い日ならばなおさらだ。

「もちろん、僕も思ったこと何度もありますよ。でも、1日サボったら、次の日もその次の日もサボりそうな気がしてしまう。だから、とにかくやらないといけない。

 コーチには『朝、起きたらとにかくジャージに着替えて外に出ましょう』と言われました。『朝、歯みがきするのと同じように、走るのが当たり前だと脳に叩き込んで。習慣になれば嫌とか嫌じゃないとか、そういうことすら考えないようになるから』って。

 なので、天候にかかわらずとにかく毎日走るようにしています。ただ、やっぱり年齢もあって風邪をひきやすくなっているので、ひどい雨の日はジムのランニングマシーンで走ったりすることもありますが」

 体調の維持と理想の走りの実現のために、栄養面にも気を配っているそうだ。

【次ページ】 「サボっているとすぐにばれるんですよ」

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