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「若者のサッカー離れ」に一石! PSGの“日本開拓とオシャレ戦略”とは「ジョーダンブランドはその1つ」「ディカプリオやリアーナも…」
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byGetty Images/Yuki Suenaga
posted2022/06/28 17:00
日本ツアーを実施するPSG。そのクラブのカルチャーについて、マネージングディレクターのセバスチャン氏に聞いてみた
PSGはビッグネーム獲得とともに、ファッションなどのカルチャー面での訴求力も見逃せない。有名なところで言えば、「ジョーダンブランド」とのコラボレーションである。
PSGのサプライヤーを務めているのはナイキだが、21-22シーズンの右胸にはスウッシュマークではなく、ジャンプマンロゴが使用されていた。さらにユニフォームでの採用の前からPSGとジョーダンブランドはアパレルとしてのコラボを続けている。個人的な経験として、20代前半の親戚(サッカーにそこまで興味のない)からLINEで「どうしても手に入れたかったんです」とスニーカーを購入した画像が送られてきたこともあった。
「パリの文化、アート、ファッションを体現するクラブ」
サッカークラブでありながら、サッカー以外の面でもアプローチしていく。近年に入ってサッカーにとどまらずスポーツ全般での「若者のスポーツ観戦離れ」が指摘されているが、その辺りのブランディングをPSGはどう考えているのか。セバスチャン氏は「我々がクールかどうか、と自分たちで言うのは難しいですが……そう思っていただけるようならすごくありがたいですね」と感謝しつつ、このように話している。
「我々はパリで唯一のクラブです。それもあってロゴにエッフェル塔が入っていたりしますよね。そういった意味ではパリの文化やアート、ファッションなどを体現するクラブでありたいと思っています。パリ自体も“PSGを通して日本の方に知ってもらいたい”という戦略を持っていて、ファッションブランド、ライフスタイルブランドとのコラボレーションに力を入れています。
ジョーダンブランドもその1つで、これをきっかけに『PSGってオシャレなクラブだな』と思ってくださる方が増えたのは確かだと思います。スタジアムにもリアーナ、レオナルド・ディカプリオ、マイケル・ジョーダンというセレブも数多く来てくださった。そういった影響力のある方々が発信することで、世界中に広まっていくという現象が起こっているかなと感じます。
我々は新しいジェネレーションのファンを拡大するにあたって、ソーシャルを通じてサッカーを見る人は増えていると感じています。そういった意味でライフスタイルやeスポーツでのブランディングにも力を入れているのです」
PSGの選手たちに体験してほしい日本文化は……
セバスチャン氏の話を聞いていると、カルチャーや新たなスポーツ観戦の側面としても、アフターコロナ1発目のメガクラブ来日がPSGとなるのは――意義深いことなのかもしれない。