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“異例のポスト保証契約”も出場機会は激減…長谷部誠38歳に聞く本音「まだ選手としての闘志は消えていないか?」
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byGetty Images
posted2022/06/07 17:20
フランクフルトのEL制覇に貢献した長谷部誠38歳。クラブと“異例の契約”を結んだ彼が見据える将来とは。
「まあ、色んな見え方、見方をした大会でした。もちろん、決勝トーナメント入ってほとんど試合出ていないので、選手としての個人的な感情もありました。
でも、ベンチの選手たちの態度なんかを見ながら、色んな目線で色んな選手を見ましたね。ELでチームが勝ち上がっていく中で、強いチーム、ボールポゼッションするチームに対してすごくいい戦術を見せていた。個人的にそれはすごく勉強になったし、スペイン(バルセロナ、ベティスと対戦して勝利した)のポゼッションに対してもインテンシティやアグレッシブさの部分では明らかにうちのチームが上回っていましたし。試合にそんなに出なくてもなんかすごい学びがありました。そういう(指導者目線)のもあると思いますね。控え選手が感情をどう態度に出すかなんてことも見ながらやってました」
また遡って、2月の契約更新を発表した際にはこんなことも話している。
「ピッチでの実地ではまだあまりやってないですけど、指導者講習で練習を作ること、練習のオーガナイズをやっているんです。なので、自分が選手として参加する練習の意図はとか、すごい意識しながら普段からトレーニングするようになりましたし、指導者講習で学んだことを自分が与えられる練習に当てはめたりもできるようになりました。それに、ああこういうことをこの監督は考えてるんだとよりわかるようになった気がします。
今のグラスナー監督は、学校の先生みたいでほんとに細かいことを突き詰めてすごく研究している監督で、それを選手にも求めるタイプ。ある意味若い選手たちは頭がパンパンになることがある。僕自身も、彼からすごく学んだことももちろんあるし、今、指導者の勉強しながら、僕だったら彼とは違うアプローチするだろうななんて思うし、グラスナー監督を通していろいろ勉強させてもらってます」
そんな得がたい目線を2021-22の長谷部は出場機会の代わりに得た。
「選手としての闘志が消えていたりしませんか?」
最後になるかもしれない2022-23シーズン、フランクフルトはCL本戦にストレートで出場する権利を手にした。長谷部にとってはヴォルフスブルク時代の2009-10シーズン以来のことだ。さすがに長谷部は冷静だ。