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“異例のポスト保証契約”も出場機会は激減…長谷部誠38歳に聞く本音「まだ選手としての闘志は消えていないか?」 

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了戒美子

了戒美子Yoshiko Ryokai

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posted2022/06/07 17:20

“異例のポスト保証契約”も出場機会は激減…長谷部誠38歳に聞く本音「まだ選手としての闘志は消えていないか?」<Number Web> photograph by Getty Images

フランクフルトのEL制覇に貢献した長谷部誠38歳。クラブと“異例の契約”を結んだ彼が見据える将来とは。

 ブンデスリーガは18試合出場(うちフル出場10試合先発2試合途中出場6試合)、ELは7試合出場(うちフル出場4試合と先発1試合はグループリーグ、準決勝バルセロナ戦では90分から出場、決勝レンジャーズ戦は味方の負傷に伴い58分から出場している)、ベンチにはいるが先発11人とは言えないままシーズン後半を過ごした。もちろんヨーロッパリーグ優勝の立役者の一人ではある。だが、決勝トーナメント以降大きく関わったのは決勝のみだ。

「浦和でも、ドイツに来てからもタイトルはけっこう取らせていただいてるんですけど、ヨーロッパのタイトルっていうのは格別です。でも僕自身はね、グループリーグはまあ出てましたけど、決勝トーナメントはほとんど出てないので、そういう意味ではチームに取ってもらったタイトルかなっていう感じがします」

プレーできない、ではなく「“流れ”というのはあるのかな」

 試合出場から遠ざかったのは、2月5日シュツットガルト戦での負傷があったからだ。相手選手との接触で、胸を負傷した。肺に穴が空く気胸だとも報じられた。その後2試合はベンチから離れ、続く4試合ではベンチ入りしながら出場なしが続いた。

「胸を怪我して、その頃から他の選手たちがすごいいいプレーを続けていたので、なかなか試合に出られないことを受け入れてる部分もありました。自分の状態、出来が悪いと言うよりは周りがいいので、自分も出た時に結果を出せるという心構えは基本的にあるんです」

 プレーできない自分を責めるというよりも、チームメイトを認めざるを得ない状況が生まれていた。3月、長谷部がベンチのまま出場しなかったELベスト16では仲間はベティスを撃破。それは喜ばしいことだったが、自分がピッチに立つチャンスからは遠ざかることになった。

「そういった意味で、“流れ”というのはあるのかなと思いましたし、シーズン通しては新しい監督が来て波が激しいシーズンだったと。シーズンが始まった頃は、個人的には全く出られなくてそこから出してもらえるようになって、で、また出られなくなってみたいな“流れ”があった。でもこういう高いレベルの中にいてまあチームもヨーロッパリーグで決勝までいって(その後優勝)、学ぶことはすごく多いかなと思ってやってます」

出場機会の代わりに得た「指導者目線で試合を見る機会」

 波に乗り遅れる感覚を言葉にして認めつつも、ベンチで試合を見つめているだけの長谷部ではない。自身が指導者への一歩を踏み出したことと重ね、新たな視点で試合を見つめ考え直す時間を得た。現役でありながらELで優勝するようなクラブでチームメイトを指導者目線で見るまたとない機会だった。長谷部にとってこれは何よりの強みだ。EL優勝を踏まえ、こう話す。

【次ページ】 「まあ、色んな見え方、見方をした大会でした」

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