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“異例のポスト保証契約”も出場機会は激減…長谷部誠38歳に聞く本音「まだ選手としての闘志は消えていないか?」
posted2022/06/07 17:20
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph by
Getty Images
2021-22シーズン、長谷部誠が大きな話題になったのは所属するフランクフルトと異例の契約更新を行った時だった。
異例すぎる契約の裏で、今度どう動く予定なのか?
ここまで長谷部はフランクフルトに加入した2014年のみ2年契約で以降は単年での契約更新を繰り返してきている。だが、今回は一気に2027年夏までの5シーズン延長、そのうち選手としての契約は現時点では、2022-23シーズンをプレーしてみた上であらためて見直そうというもの。仮に23年で引退したとしても、選手としてまだ続けることになったとしても、その先に指導者としてクラブとの関わりが保証されているという契約だ。38歳という年齢から考えて期間が長いことも驚きだが、内容が異例だったことも話題に繋がった。もちろんこれまでも、クラブに残るべき人材だということはどこか暗黙の了解だったが、それがしっかりと明文化されたと言う方がいいだろう。
また、昨年秋からはドイツサッカー協会によるプレイヤーズパスウェイという特別な指導者ライセンス講習に参加。このプログラムはイルカイ・ギュンドアンやサミ・ケディラ、マルセル・シュメルツァーら元および現ドイツ代表をはじめとするそうそうたるメンバーが参加するもので、試合数が多くなかなかライセンス講習参加の時間が取れない選手向けのコースだ。これに長谷部は参加しており、クラブとして長谷部の指導者としての第一歩を後押ししたいという意向は伝わってくる。
あらためて、長谷部の状況を各種発言から要約すると
・基本的にはフランクフルトで引退することになるだろうが他クラブでのプレーの可能性はないわけではない。
・引退後は指導者の道が用意されており自分でも準備しているが、他の可能性も否定しない。指導者として勝負できるかも未知数であるし、ほかにも興味がわく可能性もある。
・おそらく2023年夏に引退するだろうが、それもまだ現時点ではなんとも言えない。現役を続ける可能性も否定しない。
ということになる。様々な可能性は否定しないが、いずれにせよフランクフルトに残ることが濃厚ではある。そこまでクラブとの信頼関係を作り上げた長谷部の凄さを感じさせる。
サッカー選手・長谷部誠としての評価
だが一方で、いち選手・長谷部誠としての2021-22シーズンはどうかといえば物足りなかったと言わざるをえない。