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アメリカ銃乱射事件「いつになったら、手を打つんだ?」NBA名将が異例の“激怒会見”…18歳の頃、父を銃撃事件で亡くした過去
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byAP/AFLO
posted2022/06/07 17:00
プレイオフ進出を懸けた試合前の会見で、異例のコメントを述べたスティーブ・カーHC(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)
カーの怒りの会見は、ウォリアーズの公式ツイッターアカウントに掲載され、現在までに3700万回以上再生されている、ウォリアーズのスター選手、ステフィン・カリーは、その動画に「今夜の試合と同じぐらい何度も、この映像を見てほしい」とコメントをつけてリツイートしている。
その日の試合後、カリーは、ひとりの父親として、カーHCのリーダーシップに感謝した。
「コーチのリーダーシップに感謝しています。試合前、あのこと(ユバルディの小学校での事件)はみんなの頭の中にあり、バスケットボールに集中することが難しい状況でした。僕にも子供がいて、毎日、学校に送っていっています。親として、被害者の家族が感じていることに思いを寄せています。コーチがあれだけのことを言うのに、どれだけ心を痛めていたか想像もできませんが、ひと言ひと言がとてもパワフルで、大きな意味を持っていました。
難しいことですが、問題の解決に向けて僕も自分の声や持てる機会を生かして変化を起こしていきたいと思います。コーチがみんなの前で、このマイクを通してあれだけ語ったことがどれだけ大きな意味を持っていたか。ずっとそういった声をあげてきてくれた、そのリーダーシップをありがたいと思っています」
ひとりが声をあげるだけで解決できるような簡単な問題ではないかもしれない。しかし、それでも無駄だと諦めず、心からの思いを伝え続けることで多くの人を動かしていく。