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大谷翔平にMVP男・ハーパーが贈った“熱いエール”の内容とは?「彼はスーパースター。みんな、成功するのを見たいんだ」《ついに初対戦》
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byGetty Images
posted2022/06/06 17:01
6月3日に初めて対戦したエンゼルスの大谷翔平とフィリーズのハーパー
フィリーズはヤクルト、近鉄でプレーした“赤鬼”ことチャーリー・マニエル監督のもと11年に地区優勝を果たして以来、10年間ポストシーズン進出を果たしていない。今季開幕時の総年俸はナ・リーグ3位の2億3710万ドル(約308億2000万円)。10月の戦いへ向け本気だった。だが、5月最後の15試合では4勝11敗。求心力のないジョー・ジラルディ監督はエンゼルス戦を前に解任された。チームリーダーでもあるハーパーは言った。
「この2カ月間は最高のチームでありたいと思っていたが、それがなかなかできなかった。1試合1試合、1球1球、最後まで諦めない。自分達の仕事に徹し、全力でプレーする。ファンはそれを待っている。我々は前へ進み続ける」
大谷は不調を決して体調のせいにしないが…
フィリーズとエンゼルス。今の両チームはどこか重なり合う部分が多い。14年以来8年ぶりのポストシーズン進出を本気で狙い、チーム総年俸はア・リーグ4位の2億608万ドル(約268億円)。5月最後の15試合は5勝10敗。ジョー・マドン監督の解任こそ考えにくいが、16年以来6年ぶりの9連敗も喫した。
大谷もチームの低迷と重なり合うように不調が続いている。5月16日以降6月3日までの成績は56打数10安打、3本塁打、打率.179。登板機会は3試合で0勝2敗、防御率6.60。右股関節の張りを訴えた後には26日の先発では腰に違和感も覚えた。スポーツ医学の専門ドクターに聞けば、股関節と腰の不調は連動しているという。それでも大谷は体調とパフォーマンスの関連性を否定する。自己ワーストの1試合3被弾を浴びた6月2日のヤンキース戦ではこんな言葉を使った。
「(メカニックは)そこまでいい動きではなかったですし、それがボールに出ている感じかなと思います。体調はそんなに悪くなかったですね」
選手は結果が出ていない理由を決して体調のせいにはしない。出場する以上、パフォーマンスに責任を持つからだ。