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《水島マンガの野球予言》レーザービームと忍者野球…新天地を驚愕させたイチローと真田一球のスーパープレーの功績とは?

posted2022/06/10 06:01

 
《水島マンガの野球予言》レーザービームと忍者野球…新天地を驚愕させたイチローと真田一球のスーパープレーの功績とは?<Number Web> photograph by JIJI PHOTO

2001年4月11日。アスレチックス戦の8回裏、「レーザービーム」で全米に衝撃を与えたイチロー

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オグマナオト

オグマナオトNaoto Oguma

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 松井秀喜の甲子園5打席連続敬遠、イチローのレーザービーム、大谷翔平や佐々木朗希の160キロ超え……スーパースターたちの“マンガのような”プレーは、今年1月10日に惜しまれつつも逝去した漫画家・水島新司氏の作品に実はすでに描かれていました。
 そんな「野球予言」の数々を、オグマナオト氏の新刊『日本野球はいつも水島新司マンガが予言していた!』(ごま書房新社)より一部抜粋してお届けします。(全3回の2回目/#1へ、#3へ)

 日本球界で「7年連続首位打者」をはじめとするいくつもの栄光を残し、 21世紀の幕開けとともにメジャーリーグ、シアトル・マリナーズへと渡ったイチロー。以降、2019年に45歳で引退するまで、 日本時代以上に偉大な功績をたくさん残した。 

 そんなイチローの「メジャーリーグでの輝かしい瞬間」と聞いて思い浮かべるのはどんなシーンなのか? シーズン最多記録262安打の達成、前人未到の10年連続200安打、オールスターMVP……数え上げればキリがないが、メジャーデビュー直後の2001年4月11日、全米を驚愕させた「レーザービーム」を思い浮かべる人も多いのではないだろうか。

面目躍如のメジャー1年目

 オークランド・アスレチックス戦の8回1死一塁。ライト前への打球を捕ったイチローは、流れるような動きから三塁へ、まさに糸を引くようなストライク送球。三塁手のグラブに見事収まってタッチアウトをもぎとったこの球は、実況アナの「レーザービーム」と表現したフレーズとともに、その後、何度もくり返して流される「イチローを象徴するシーン」となった。

 走塁面でいえば、ニューヨーク・ヤンキース時代の2012年プレーオフや、マイアミ・マーリンズ時代の2015年と何度となく披露した、捕手のタッチを数センチでかわして本塁を陥れる“神走塁”も外せない。現地実況が「ニンジャ!」と絶叫するのも納得のシーンだった。日本が誇る安打製造機だからこそヒットに注目したくなるが、イチローをスーパースターたらしめた要因は、打撃だけでなく、守備でも走塁でもメジャートップクラスだったからにほかならない。

【次ページ】 見たこともない神走塁

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