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20歳の現役女子大生・本田真凜が考える“スケート人生の終着点”…妹の言葉で気づいた「まだ私はスケートを手放してはいけない」
posted2022/05/30 11:05
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Miki Fukano
20歳の女子大生、本田真凜のキャンパスライフ
この4月、本田真凜は明治大学の3年生に進級した。
「中学生くらいの時から卒論のお手伝いみたいな感じで、先輩方にアンケートの回答を頼まれることはよくあって、今度は自分がそういうことをする歳になったんだな、ちょっと感慨深いです(笑)」
ただ、本田が入学したころはすでに新型コロナウイルスが猛威をふるっていた。緊急事態宣言が何度も発令される中で、授業はほとんどがオンライン。日常的にキャンパスに通い出したのも、この3年生になってからだという。
だからか、キャンパスライフについて聞いてみると、「友達がほんといなくって。本当にゼロ」と笑う。
「ご飯を食べるにしても一人ですね。『写真をお願いします』としか言われないです(笑)。大学ってほんと友達を作るのが大事らしくて、スケート部の先輩からも『友達の数は単位の数だから』と聞いていたんですけど、なかなか自分から話しかけるタイプでもなくて……不安です。まだ1年生みたいな気分。
一人でも友達がいたら、もうちょっと大学生っぽいキャンパスライフみたいなのを送れそうなので、それを目標に頑張ります」
友達ができたら、どんな話題に花を咲かせるのか。意外にも友人と話すときは、「自分の話はあまりしない。もっぱら聞き手」。
「人の話を聞きたいんです。私の場合は普段いる場所も、周りの友達も、全部スケートにかかわることが大半なんで……。スケーター以外の人と話すなら、全然知らないことばかりなので、ちょっとした話題でも『それで? それで?』と聞きたくなっちゃう(笑)」
スケート部ではリンクリーダーに「頼られる先輩になりたい」
キャンパスライフと言えば、所属する大学スケート部での立場も変わった。下級生が入ってきて、“先輩”になった。