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20歳の現役女子大生・本田真凜が考える“スケート人生の終着点”…妹の言葉で気づいた「まだ私はスケートを手放してはいけない」
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byMiki Fukano
posted2022/05/30 11:05
フィギュアスケーターの本田真凜。「浅田真央2世」と呼ばれた天才少女の今に迫るロングインタビュー
「小さいときからスケートをやってきて、いつも自分は歳下の立場だなと思っていたんですけど、リンクに行くと敬語で挨拶されることも増えて……戸惑いもあるし、不思議な感覚ですね。
今日もスケート部のミーティングがあったんですけど、新横浜のリンクリーダーになりました。後輩が学校の単位をきちんと取っているかも把握して、取れていなかったら注意しないといけないんです(笑)。ちゃんと頼られる先輩になれるように、学業もスケートも頑張りたいなと思います」
“引退”について「スケートから離れる選択肢もある」
卒業まではあと2年――昨シーズンの東京選手権後、「自分の中では大学生が終わる頃かなと思います」とフィギュアスケート人生の最後について語っていた。あらためて、今後を尋ねる。
「同世代のスケーターは、兄(太一)もそうだったんですけど、大学卒業と同時に就職して引退する選手が多いんです。卒業しても続けるとなった場合でも、期限を決めるかやりきったと思える瞬間にやめるかの大きく分けて2つありますけど、私の場合は期限を決める方が合っていると思うんです。
だから常に自分の中ではある程度決めていますけど、まだどうなるか分からない。ただ、私はちゃんと終わりを決めることは大事なことなのかなって思っています」
例えば競技から離れても、アイスショーで滑る選択肢もある。
「アイスショーを続けるとなると、それまでと変わらないというか……。毎日練習をすることに変わりはないですし、変化としては試合に出ないというだけなのかなって。分からないですけど、試合に出ないと同時に、スケートから離れる選択肢もあるとは思います。
例えば自分に家庭ができたとしても、私は何かに没頭していたいと思うタイプなのでその仕事をこれから自分で選ぶという感じですかね。今までは両親が始めさせてくれた習い事をそのまま続けているという感覚で、スケートもその1つなんです。それを自分で決めるのがこれからなのかなって思うので。いろいろ考えますね」
どんな選手でもいつかは終わりの日を迎える。本田も“引退”を具体的に意識する時期にさしかかっている。