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関東インカレで入賞者だらけの青学大、なぜ強さは衰えないのか? 選手が明かす「今季の箱根駅伝は、さらに一人10秒上げる」
posted2022/05/30 11:00
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
AFLO
順天堂大学)5000m優勝、エース・三浦龍司が絶好調
箱根駅伝総合2位の順天堂大は、エースが順調だ。
大会初日の10000mでは、伊豫田達弥(4年)が観客をどよめかせるスパートを見せ、28分42秒85で優勝した。順大の10000m優勝は三代直樹が98年大会で勝って以来、24年ぶりだが、三浦龍司(3年)と一緒に練習することでスピードを磨いてきた成果が結果に結びついた。レース後、伊豫田は、「箱根駅伝総合優勝をするためには、僕と三浦と野村が結果でチームを引っ張って、西澤がチームを盛り立てる両方が必要なので、今回ここで僕が結果を出せたことで箱根優勝に1ミリでも近づけたかなと思います」と笑みを浮かべた。前回の箱根は3区3位だが、今季は2区で区間賞争いができそうだ。ただ、主力の野村優作(4年)は10位、石井一希(3年)は12位でともに入賞には届かなかった。
5000mは、三浦と石井、藤島幹大(2年)が決勝に進出した。松永伶(法大・3年)がラスト2周から大逃げを計ったが、三浦は冷静に「抜ける」と判断。ラスト400mを約54秒で駆けるスパートを披露し、しかもかなりの余裕度を見せて優勝した。「最後のキレ、スピードは自信をつけてきた。ギアの段数が増えて、どんどんレベルアップしている」と、自信に満ちた表情を見せた。箱根では苦い思いをしてきたが、今年こそは出走区間で三浦らしい走りを見せてくれそうだ。10000mにも出場した石井は9位と入賞まであと一息、藤島はスタミナに課題が残り、18位に終わった。
ハーフマラソンでは、四釜峻佑(4年)が第2集団でレースを展開し、7位に入賞。主将の西澤侑真(4年)は11位、海老澤憲伸(2年)は14位だった。「攻めのレースができなかった」と四釜は悔しそうだったが、ロードでの強さは健在だ。塩尻和也、三浦が勝ち続け、十八番といわれた3000mSCは、服部壮馬(2年)が出場できず、村尾雄己(1年)がなんとか8位入賞、1500mは油谷航亮(2年)が9位と振るわなかった。
中間層がどこまでチーム力を押し上げていけるか
三浦、伊豫田のエースはさらに強さを増しているが、野村ら主力組の調子、さらに中間層の伸びはもうひとつ。1部長距離種目得点は19点、5位でトップの東洋大とは14点の差があった。前回は箱根総合2位で来年は箱根駅伝総合優勝を目指す順大にとっては最強と言われる4年生が復調し、中間層がどこまでチーム力を押し上げていけるかがポイントになるだろう。