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元ロッテ渡辺俊介の長男が入部で話題 この春も“0勝10敗2分”東大野球部の今…OBが語る「“歴代最高”の捕手がいる」「東大戦法しかない」
posted2022/05/26 17:02
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
Sankei Shimbun
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学生野球のシーズンというのは、春も秋も、始まったかと思うと、あっという間に最終週になり、瞬く間に2カ月が過ぎていく。
東京六大学もあと1週を残すだけとなり、立教、明治、慶應義塾、法政による熾烈な優勝争いの末、明治大の優勝が決まった。
そんななか、今季12試合で勝ち星こそ挙げられなかったが、早稲田大に2試合連続引き分けと食い下がった東京大の「奮闘」は、特筆されてよい。
4月初旬の開幕当初、慶應大、明治大に4連敗した頃の闘いぶりは、目を覆いたくなるほどの「惨状」だった。
4試合で55失点……1試合平均およそ14失点の打たれぶりに加えて、明治大には1試合で17三振奪われた試合もあった。
しかし、一週空いた早稲田大との対戦では一転、エース・井澤駿介投手(4年・180cm80kg・右投右打・札幌南高)が早稲田大打線を6安打2失点に抑えて完投したり、綱嶋大峰(4年・175cm77kg・右投右打・筑波大附高)、西山慧(4年・176cm75kg・右投右打・土浦一高)、松岡由機(3年・172cm74kg・右投右打・駒場東邦高)、鈴木健(3年・184cm81kg・左投左打・仙台一高)らの東京大投手陣の継投によって、2試合連続の引き分けに持ち込み、第3戦でも7回まで0対0と互角の展開を続ける大健闘をやってみせた。
続く立教大戦でも、初回から一気に3点を奪って試合の主導権を握った。やはり勝ち星にこそつながらなかったものの、待望の勝利まで「あと少し」のところまでこぎつけているのだが……。
「慶應、明治戦の惨敗は仕方ないです」
「ほんと、もうちょっとのところまで来ているし、どうすれば……というのも、見えているように思うんですよ。歯がゆいところですね」
話してくれたのは、東京大野球部OBの古田維(ただし)氏だ。1974年の入学・入部で、3年生から外野手のレギュラーとして、リーグ戦でも奮闘した。