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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
鎌田大地の号泣と“日の丸スパイク”に思い出す4年前の「カタールW杯には絶対出たいですよ」 長谷部誠とのEL優勝写真に“秘められた熱量”とは
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2022/05/28 11:02
EL制覇を成し遂げた鎌田大地。長谷部誠とともに偉業を成し遂げた
鎌田が抜け出し、長谷部のコーチングする姿も
後半開始と同時に、フランクフルトサポーターが発煙筒を焚き、フランクフルトが攻めるゴールの辺りは煙に包まれ、一時は写真も撮れないほどだった。
ゲームは、フランクフルトがペースを掴みかけたように感じていた。コスティッチからのパスを受けた鎌田が抜け出し、ボックス内突入を試みる回数が増えてきた。ハーフタイムには撮影ポジションを変更し、たくさんの白いサポーターをバックに鎌田を狙える位置についた。
しかし、一瞬のミスを突いて、レンジャーズの1トップ、アリボが冷静にゴールを奪った。
直後、最終ラインからのゲームの組み立てを託され、長谷部がピッチに投入された。38歳の日本人は、攻撃面だけでなく、レンジャーズのロングボールにも冷静な対応を見せた。
ボールの軌道を見極めると、上背のある相手にコンタクトして相手の立ち位置も把握し、危機を回避する様子が見て取れた。
レンジャーズの先制ゴールから12分後、コスティッチのクロスにボレが飛び込んでゴール。鎌田が叫びながらコスティッチに飛びつく。ファンの目の前で、同点ゴールを祝った。
その直後には、長谷部が、3バックのエンディッカ、トゥーレに激しく指示を出す姿を撮影できた。
渾身のPK、鎌田が味方GKに向けてガッツポーズ
振り出しに戻った試合は、そのまま無得点のまま延長戦へ進んだ。ファウルが増え、ピッチに足を滑らすシーンが増えるなど、消耗の激しさが伝わってくる。
延長戦はレンジャーズがチャンスを多く作ったか。長谷部も鎌田も、身体を投げ出してボールに食らいつく姿がカメラに飛び込んでくる。フランクフルトGKトラップのファインセーブがなければ、ゲームは終わっていた可能性も高い。
決着はPK合戦にもつれた。フランクフルトの3番手に入った鎌田の渾身のシュートは、右ポストの内側を叩き、ネットを揺らした。キャプテンマークを巻いた長谷部を筆頭に鎌田を出迎える。
直後、レンジャーズ4番手ラムジーがゴール中央に蹴り込んだシュートは、トラップが左足で掻き出した。
鎌田がGKへガッツポーズで祝福を伝える。
そしてフランクフルト5番目のキッカー、トラップからボールを託されたボレが細かいステップから強く蹴り出したシュートは、ゴール左上角に突き刺さった。