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「3連単153万円超の大波乱」NHKマイルCを制したダノンスコーピオンはダービーでも好勝負? カワキタレブリー3着は「まぐれではない」
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byPhotostud
posted2022/05/09 11:35
5月8日のNHKマイルカップ(GI)にてハイレベルな競り合いを制しGI初戴冠となったダノンスコーピオン。鞍上は川田将雅
ダノンスコーピオンの最大の勝因とは?
勝ったダノンスコーピオンは大外18番枠からのスタートだった。1996年のレース創設以来未勝利だった枠だ。コースロスを心配する声もあったが、序盤スムーズに内に切れ込み、他馬に揉まれることなく6、7番手でコーナーをクリアし、直線で弾けた。川田はこう振り返る。
「パドックで跨り、返し馬の段階から、とても具合がいいことを確認できました。自信を持って、勝ちにいく競馬をするなかで、流れのなかで位置取りは考えようと思っていました。最後、外から伸びてくる馬がいて際どいレースになりましたが、何とか凌ぐことができてホッとしています」
レースレコードで制した前走のアーリントンカップから中2週という詰まった間隔も問題なかった。
「(2走前の)共同通信杯(7着)があまりにも苦しい状態で迎えることになったので、そこから立て直して、前回ある程度の体調まで戻り、そこからここに向けてとてもいい時間を過ごすことができました」
川田がそう話したように、最大の勝因は状態がよかったことだろう。
管理する安田隆行調教師は、かつて父ロードカナロアも管理していた。自身が管理するカナロア産駒では、2020年の香港スプリント、21年の高松宮記念を制したダノンスマッシュにつづく2頭目のGI馬となった。
また、節目のGI通算20勝目をマークした川田はデビューした04年から翌05年松まで安田厩舎に所属しており、これはダノンザキッドの20年ホープフルステークス、ダノンスマッシュの21年高松宮記念につづく3度目の「安田・川田師弟コンビ」によるGI制覇だった。
安田師によると、今後の予定は馬の状態を見て決めるとのこと。