しかし、マジョルカも一度掴んだ光を簡単に手放すことはしない。イ・ガンインの個人技から、久保がボールを受けると、寄せるフレンキー・デヨングを横目にミドルレンジから強力なシュートを放つ。

　これはDFにブロックされてしまうが、これで得たCKをイ・ガンイン、久保が短くつなぎ、アルバを突破しようとするが、簡単には突破を許してはくれない。

久保の表情には悔しさがにじんでいた

　キヤノンの”ヨンニッパ”という巨大な単焦点レンズに映り込む久保の姿が明らかに大きくなる場面が増えてきた。中盤付近でのプレーには全身が余裕で映り込む。しかし、バルサのペナルティーエリアに近づくにつれ、マジョルカ選手の上半身が大きく飛び込んでくるようになった。

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　マジョルカの攻勢に、ここ数試合勝ち星のないバルサに焦りの色が見え始める。

　79分、攻勢の中で得たFKからラーイージョが押し込み、待望のゴールを奪うも、マジョルカの反撃もここまでだった。

　最後まで必死に得点を目指すものの、もう一度バルサのDFラインを突破することはできなかった。久保の表情に悔しさが現れる。

　勝たなければならないものたちと、負けられないものたちの戦い、結果は、勝利を追求できる者たちのものになった。勝ちきることよりも、点を奪われないための布陣で臨んだマジョルカだったが、バルサの攻撃を封じ切るだけの力はなかったか――。

カンテラ時代の旧友と何を話したのだろうか

　久保は、中盤で激しくやりあったブスケッツに握手を求め、旧友エリック・ガルシアとしばらく言葉を交わしていた。

　残りは4節、マジョルカにとっては全てが負けられない戦いになる。次節は、残留を直接争うグラナダをホームに迎え撃つ。そこからは週中にセビージャ戦が入り、連戦となる。

　久保が先発となる試合も必ずあるだろう。マジョルカの残留という形で、この試合の悔しさを晴らしてほしい。