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金メダリスト堀米雄斗が“高卒ルーキー”松木玖生に質問「緊張しない方法を教えてください」「パリ五輪の会場で会えたら」
text by
松本宣昭Yoshiaki Matsumoto
photograph byAFLO SPORT
posted2022/04/27 11:01
先日のXGamesでも圧巻の滑りを見せた堀米雄斗(左)とFC東京の高卒ルーキーMF松木玖生
堀米 僕も小さいころから海外、アメリカでプロになりたいという夢を持っていました。やっぱりスケートボードの本場はアメリカで、好きなスケーターがアメリカに住んでいて、彼らのパフォーマンスや生活をYouTubeで観て憧れて。東京五輪のおかげで今では日本でもスケートボードについて多少は知られていますけど、当時は全然知られていなかったし、スケートボードで食べていける人も本当に少なかった。自分が憧れているプロスケータ―みたいな生活は、日本ではできないとわかっていたので、高校生のときに渡米することを決めました。
当初は周りからも「アメリカで成功するのは難しい」とか、「日本人にできるわけない」とか、いろいろ言われてきたんですけど、そういうことを気にせず、とにかく自分の夢に向かって、自分が大好きなスケートボードをやってきました。松木選手にも海外で活躍したいって夢があれば、ずっと目指して、誰かに何を言われようとも自分の夢を貫き通してほしいですね。
松木 ありがとうございます。夢を持つことの大切さは、スケートボードにもサッカーにも、それ以外のスポーツにも共通することだと思います。僕も周りにいろいろと言われることはありますけど、そんなの関係なしに、自分自身のプレーにこだわってやっています。これから大人になるにつれて、いろんな経験を積むと思うんですけど、ブレずにやっていきたいと思います。
「パリ五輪の会場で、会えたらいいですね!」
――4月29日には新国立競技場で初めて開催されるJ1リーグ、FC東京vs.ガンバ大阪戦があります。松木選手にとっては青森山田高時代に高校選手権制覇を果たした場所、堀米選手は東京五輪の開会式で歩いた思い出の場所ですね。
松木 選手権のときに思ったのは、まずロッカーが綺麗だなと(笑)。観客もたくさん入りますし、芝生もすごくプレーしやすかった。新国立競技場でプレーしたことがある選手は少ないと思うので、自分の経験をアドバンテージにして、自分の特徴を出す自信はあります。まずは目の前の試合に集中して、結果を出したいですね。
堀米 すごく大きなスタジアムですもんね。五輪の場合は、また独特の雰囲気だったのだと思いますけど、開会式で入場した時に、感動するところがたくさんあったし、五輪でしか味わえない感覚もあって、すごく良い経験ができました。
――2年後にはパリ五輪も控えています。お二人にとっては、どんな位置づけの大会ですか?
堀米 パリで金メダルを獲ることは夢です。2連覇のチャンスがあるのは僕だけですし、そのために今、新しい技も練習しています。それと同時に、スケートボードはコンテストだけじゃなく、ストリートカルチャーもすごく大事で。東京五輪の後にストリートでの映像を撮って、『THRASHER MAGAZINE』という雑誌が主催する「スケーター・オブ・ザ・イヤー」賞を狙っていたんですけど、残念ながら取ることができなかった。だから、ストリートでも頑張って、パリ五輪も目指して。2つの夢をかなえられるように、毎日、考えながら、楽しみながらスケボーをしています。
松木 僕にとってパリ五輪は「出なければならない大会」だと思っています。フル代表入りを狙っていますし、もっともっと先の世界に行くためにも、パリ五輪は通過点としてすごく良い大会です。今は基礎技術だったり、戦術的な部分をしっかり落とし込んで、世界で活躍できるような選手になりたいと思っています。
堀米 パリ五輪の会場で、会えたらいいですね!
松木 会えるように、頑張ります!
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