令和の野球探訪BACK NUMBER
巨人阪神の参入、東京ドームで決勝戦、イチローも対戦…新時代を迎えた女子野球の現在地とは? プロリーグ消滅も競技人口は300→2000
text by
高木遊Yu Takagi
photograph byWomen's Baseball Federation of Japan
posted2022/04/27 11:00
東京ドームで開催された全国高等学校女子硬式野球選抜大会。史上最多となる2690人の前で行われた
阪神に続き、NPB球団として参入した巨人も安定した地盤作りから進めていると、運営を担う大湾梨香子氏(読売巨人軍ホームタウン推進部女子野球準備室)は話す。
「“さすがジャイアンツ”と思ってもらえるような雰囲気、体制、環境の良いチームをしっかりと作っていきたいです。大きな夢としてトップリーグ創設やプロリーグ化がありますが、まずは“あのチームを目指したい”という子どもを増やして野球振興に繋げていきたいです」
巨人は今春に高校や大学を卒業する4選手(島野愛友利、吉安清、金満梨々那、山下陽夏)が1期生として加入。2023年初頭からの活動を目指していく段階だが、実績・実力とも十分な選手たちが集まった。開催予定のセレクションよって来季は20人ほどに選手を増員する予定だ。
二軍施設などが主な練習場所
普段は4選手ともアカデミーのコーチとして子どもたちの指導にあたり、練習は4人のみで行うこともあれば、ゴールドジム女子硬式野球部の練習や練習試合に参加させてもらうなどして実戦不足を解消している。
2月には巨人の春季宮崎キャンプに参加。原辰徳監督をはじめとしたスタッフや選手たちの理解もあり、金満は「実際にプロの方々(男子選手たち)がプレーしている場所で一緒にやらせていただけたのは本当にありがたいことでした」と感謝。「今までにない経験なのはもちろん、これからもあるかないかの経験だったので、自分自身もすごく楽しませていただきました」と声を弾ませた。
また、阪神も巨人も二軍施設や室内練習場を練習場所として使用している。阪神の三浦は「週4回タイガースのすごくいい施設で、一軍の選手が横で練習をしていることもある環境で女子選手も練習をやらせてもらっていることはすごいことだなと思います」と語るように、男子チーム(NPB)側の理解を深めた中で、環境整備が着々と進んでいる。