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「ショウヘイ、キュンデス!」米国実況アナが若者言葉で大谷翔平を称えた“真相”…次は「オオタニ、マジカ?」か「デンドーイリ!」かも!?
text by
山脇明子Akiko Yamawaki
photograph byGetty Images
posted2022/04/19 11:00
ホームランを放ち、カウボーイハットをかぶって喜ぶ大谷
私がどれほど翔平のことが好きかわかるような実況をしない
V 私の実況を聞く人に私がどれほど翔平のことが好きかわかるような実況をしないことです。私は、どの選手に対しても同じように実況したいんです。エンゼルスの実況アナウンサーですから、私がエンゼルスを応援していると思われることは何の問題もありません。でも私はマイク・トラウトのことを実況する時も、アンソニー・レンドンの時も誰の時でも、翔平と同じようにやらなければなりません。
近 それは私も同意見です。私も日本ハムファイターズの多くの試合に携わらせてもらっている、いわば公式的な立ち位置のアナウンサー。球団から信頼してもらっているし、選手に差をつけるわけにはいかない。アナウンスによってチームをいい方向に持っていきたいという気持ちがあります。
V ただ、彼が歴史を作ろうとする時は、やはり声を強めますし、少し応援するような実況をします。聞く人には、少し素人っぽく思われるかもしれませんが、気にしていません。
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近 一生に一度目撃できるかどうかわからない偉業ですからね。
V 正直、大谷翔平のプレーを見てエキサイティングになれないなら、野球を観るべきではありません。彼には他を超越した才能があるのですから。エンゼルスのジョー・マドン監督が「彼のような存在がいることを当たり前と思ってはいけない。このあと彼のような選手を見ることはないかもしれないからだ」と言っていましたよね。
近 たしかに大谷はチームメイトからも愛されているし、やっぱり応援される存在ですよね。それだけで実力を伴わない選手もいるけれど、大谷はそれも伴い、人から応援され、実力もある。性格もいいし、だから穴がないんです。
V 私が最も凄いと思うのは、彼の謙虚さ、良識を持った行動、そして人格が優れていることです。彼の育った環境、文化などが、彼の他人や野球に対して敬意をもって接する態度につながったのだと思います。私は7歳の息子にスポーツ選手を尊敬する時は気をつけるように言っています。いくら能力があっても、全員が人格を兼ね備えているわけではありませんから。でも大谷翔平だけは英雄視しても問題ないと言っているんです。
日本語を使う時は、ちゃんとした発音を心掛けています
近 そんな大谷選手の活躍に合わせて、昨シーズンはいろんな日本語を実況に取り入れていましたよね。(奪三振時の)「スワッテクダサイ」(Sit downの直訳)とか「ドコカニイッテハヲミガク」(Go away and brush your teethの直訳)とか。どうやってあれらのフレーズを思いついたのですか?
V グーグル翻訳だね(笑)。発音などはエンゼルス広報のグレース(・マクナミーさん)に教えてもらっています。君が完璧に英語が喋れるのとは違って、私は日本語が全然だから(笑)。言葉やフレーズをしっかり暗記するようにしています。またちゃんとした発音も心掛けています。その状況にふさわしくないことを言いたくないし、意図せず侮辱的に聞こえる結果にしたくないですから。実は私がパドレスの実況をしていた2000年代にアキ・オオツカ(大塚晶文)が所属していました。
近 その時代から日本人選手と関わりがあったんですね!
V 彼もまた素晴らしいプレーヤーでした。彼がいた時に私はいくつかの日本語を覚え、使ってみました。彼には通訳がいて、私が日本語を使っているのを楽しんで聞いてくれました。彼が気に入ってくれた時は、ずっとそれを使い続けていました。彼は時に「こう言ったらどうだい?」と提案もしてくれました。
近 選手とのやりとりで言うと、二刀流・大谷はとにかく多忙。取材も行なう実況アナウンサーの立場からすると、話を聞ける時間が限られているのは、取材者泣かせではありますよね。大谷が日本ハムにいた時、いつも練習をしているので、見つけて話しかけることが大変でした。そちらでもそうですか?