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“9試合で勝ち点3”J2最下位・大宮の苦しすぎる現状…急遽「フットボール本部長」に就任した原博実氏の使命とは?「正直に言うと…」 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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posted2022/04/16 11:01

“9試合で勝ち点3”J2最下位・大宮の苦しすぎる現状…急遽「フットボール本部長」に就任した原博実氏の使命とは?「正直に言うと…」<Number Web> photograph by Getty Images

ホームで逆転負けを喫した第3節のロアッソ熊本戦後、NACK5スタジアムに集ったサポーターに頭を下げる大宮アルディージャの選手たち

原博実フットボール本部長のミッションとは?

 現状打破へ向けて、クラブが動いたのは4月12日だ。佐野秀彦社長が兼任していたフットボール本部長に、原博実氏が就任したのだ。浦和レッズとFC東京で監督を務め、日本サッカー協会とJリーグで要職を歴任した63歳は、11日に打診を受けたという。翌日の午前中にはもう、練習グラウンドに立っていた。

「多くの試合やチームを客観的に見ていたので、大宮の良さとか足りないものについては、ずっと思っていたところがあります。それを強化部や監督以下スタッフと色々話してみて、ひとつずつ変えていければと。何かきっかけがあれば変わる選手たちでありチームだと思うので、そのきっかけを作ってあげなきゃいけない、という思いです」

 フットボール本部長の職域は、トップチームに限らない。育成や女子チーム、地域との関わりも守備範囲だが、「まずはトップチームをいい流れにするのが最優先課題」と言う。

「いまの順位から抜け出すのは、簡単ではないでしょう。9試合勝てていないと『元気出せ』といっても出ないと思うけれど、ただ、やれることはいっぱいあるなと感じています。この練習場と選手たちのポテンシャルをみたら、ホントにこの順位にいるチームじゃないと改めて思います」

 原フットボール本部長と霜田監督は、FC東京と日本サッカー協会で共闘した間柄だ。霜田監督は「すごい短期間で決断をして来ていただいたことには、ホントに感謝しています」と話すが、「サッカー界の大先輩」に寄り掛かるつもりはもちろんない。

「原さんはいいものはいい、悪いものは悪い、お前はいい、お前はダメとストレートに指摘してくれる方なので、僕に対してダメなところはちゃんと言ってくれるでしょう。選手やチームにポジティブな空気をもたらしてくれると思いますが、原さんが来てくれただけで状況が全部変わるわけではない。やらなければいけないのは僕ら現場なので、もう一回気持ちを引き締めるタイミングになったなと思います」

大宮が縛られる負の連鎖、傑出した「個」の不在

 今シーズンはDFラインから攻撃を構築しようとしたが、自陣でのボールロストやミスから失点を重ねてしまった。それならば、とDFラインから前線へのパスも選択肢に加えているが、試合のなかで整理がついていない。開幕当初はイメージの共有に基づいたコンビネーションが見られたが、未勝利記録が伸びるたびに大胆さや思い切りが影を潜め、攻撃から迫力が失われている。そのおかげでゴールを喫し、自信にヒビが生じ、さらに劣勢に陥るという負の連鎖に縛られている。「大宮はこういうサッカーをする」というものを、示すことができていないのだ。

【次ページ】 原博実氏「真面目なクラブだと思う。ただ正直…」

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