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“9試合で勝ち点3”J2最下位・大宮の苦しすぎる現状…急遽「フットボール本部長」に就任した原博実氏の使命とは?「正直に言うと…」 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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posted2022/04/16 11:01

“9試合で勝ち点3”J2最下位・大宮の苦しすぎる現状…急遽「フットボール本部長」に就任した原博実氏の使命とは?「正直に言うと…」<Number Web> photograph by Getty Images

ホームで逆転負けを喫した第3節のロアッソ熊本戦後、NACK5スタジアムに集ったサポーターに頭を下げる大宮アルディージャの選手たち

繰り返される試合終盤の失点、削られ続ける勝ち点

 迎えた今シーズンは、開幕戦で横浜FCと対戦した。前半終了間際にミスから先制され、後半開始早々には追加点を許した。しかし、61分に新加入の茂木力也が追撃のヘッドを突き刺す。3分後にはやはり新加入の矢島慎也が、同点弾を流し込む。コンビネーションからのファインゴールだった。

 70分過ぎには富山貴光のシュートが、左ポストを叩く。勝ち越しの好機を逃したが、横浜FCにもチャンスを与えていない。このままアウェイで勝ち点1を持ち帰るかと思われたが、アディショナルタイムに痛恨のPKを献上してしまう。勝ち点1が掌から滑り落ちた。

 続く第2節は、アルビレックス新潟とのホームゲームだった。64分まで2対0でリードするが、68分、71分の連続失点で勝利を逃した。

 横浜FCは昨シーズンまでJ1で戦っていたチームで、新潟は昨シーズンのJ2を6位でフィニッシュした。接戦を演じたことを前向きに評価できる相手だったが、第3節で対戦したロアッソ熊本はJ3からの昇格チームだ。豊富な指導経験を持つ大木武監督が指揮しているとはいえ、今シーズンの大宮はJ1参入プレーオフ圏内の6位以内を目標に掲げている。昇格チームとのホームゲームは、勝ち点3を計算しなければいけない試合である。

 ところが、1対2で敗れてしまうのだ。70分以降に失点を重ね、逆転負けを喫した。

 試合終盤の失点はその後も続く。勝ち点3が1に、1が0に変わり、9節を終えていまだ勝利をつかむことができていないのだ。

 振り返れば21年シーズンの終盤も、後半終了間際の失点で勝ち点を失っていった。今シーズンの戦いぶりは例外的なものではなく、クラブに染みついた体質の表われと言っていいかもしれない。ここぞというところで決めきれないのも、ここ数シーズンは何度となく繰り返されてきたものである。

 9節終了時点で首位の横浜FCとは勝ち点20、2位の東京ヴェルディとは勝ち点15もの開きがある。6位のザスパクサツ群馬とは勝ち点11差だ。シーズンの4分の1弱を消化した時点で、大宮はJ1昇格争いから大きく出遅れてしまっている。

【次ページ】 原博実フットボール本部長のミッションとは?

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