- #1
- #2
核心にシュートを!BACK NUMBER
香川真司「批判はスポーツなので当然です。ただ」「(長友)佑都についても…」“日本代表を取り巻く空気感”を本音で語る
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byTakuya Sugiyama
posted2022/04/15 17:03
日本代表でともにプレーした頃の長友佑都と香川真司。代表の10番を背負った人間としてエールを送っていた
「現実的に、どのチームに行こうが1年の積み重ねが大事ですから。オレには、ほとんど試合に出られなかった1年があるわけですしね。軽々しく言えないですよ。ただ、自分の経験やスキルなどは若い選手にはないものだし、あとは……。
やはり、気持ちじゃないですか。周りから何を言われようが、オレはサッカー選手としてもっと成長したいし、もっと成長できると信じているので」
「拓実、がんばれ!」と一言だけで十分かなと
――ところで、今の日本代表を取り巻く状況については、香川選手の目にはどう映っているのですか?
「W杯予選では何よりも勝つことが大事ですよね。『試合内容が乏しい』という声が挙がるのはわかりますけど、しっかりと勝ったことは評価しないと。『結果を残すことが大切』と言いながらも、結果が出たときには、批判する材料を探しているようなことも……」
――代表選手への批判の声も少なくなかったですが、かつての自分を重ね合わせて感じたことはありましたか?
「一時期、(南野)拓実にも厳しい声が挙がっていましたけど……。
僕が言えるのは……『拓実、がんばれ!』、その一言だけで十分かなと。色々言われるかも知れないけど、世界最高の環境で日々トレーニングして戦っている事を、本人も周りも忘れないでほしいと思いましたよ」
――というと?
「あのプレミアの厳しい環境で、優勝争いをするチームで日々戦えていることは、成長を考えたときに大きなアドバンテージですから。もちろん、代表選手の実力は所属チームの名前で評価されるものではないですよ。ただ、あの厳しい舞台で日本人選手が戦い続けている。それはすごいことです」
批判されるのはスポーツの世界なので当然です。ただ……
――香川選手もマンチェスター・ユナイテッドやドルトムントの選手として、あるいは日本代表の10番を背負う選手として、厳しい批判にさらされることもしばしばありましたよね。
「以前、『世界のトップレベルにいれば練習をやっているだけでもレベルは上がるし、あのチームで戦うチャンスをつかむのがどれだけ難しいのか、オレはわかっているから』と俊さん(中村俊輔)から声をかけてもらって。シーズンオフだったと思うんですけど、オレもその言葉に助けられましたね」
――なるほど。