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松山英樹マスターズ優勝を支えた“チーム松山”の絆「みんな英樹が好きだから。彼を好きじゃないとやっぱり頑張れない」 

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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photograph byAP/AFLO

posted2022/04/07 17:02

松山英樹マスターズ優勝を支えた“チーム松山”の絆「みんな英樹が好きだから。彼を好きじゃないとやっぱり頑張れない」<Number Web> photograph by AP/AFLO

マスターズを制覇した松山英樹。グリーンジャケットを羽織った後、サポートしてくれた飯田光輝トレーナー、早藤将太キャディ、目澤秀憲コーチを呼び寄せ写真に収まった

 マスターズを制してからというもの、彼は特効薬を授けた名医のような存在として知られるようになった。しかし、そもそも直前3カ月の松山の成績には目澤自身も苦しんでいた。今年に入ってトップ10入りはなく、メジャー直前の出来としてはキャリアでワーストの部類だったのである。

 突然変異のような快進撃にたどり着くまでに、テーム松山はそれぞれに悩み、一方で準備を怠らなかった。選手は懸命にクラブを振り、スタッフ同士もまだ互いを理解しようとしている最中だった。

 オーガスタに向かう3週間前、オフウィークを拠点のフロリダで過ごした松山はフィジカル面で追い込みをかけた。飯田の厳しいトレーエングには、早藤と目澤も参加した。同じメニューをこなした彼らは力尽き、松山邸のリビングで仲良く眠った。

 個性と個性。彼らが結びつき、「We」となれた理由は何だろう。飯田は「みんな英樹のことが好きだから」と言った。

「彼を好きじゃないとやっぱり頑張れない。あれだけ真摯にゴルフに取り組んでいる姿を僕たちは一番近くで見てきた」

 3人はそれぞれ一度は選手としてメジャーに憧れ、夢敗れた者たちだった。彼らだけでなく、結成時からチームに携わってきた多くの人々も、松山のひた向きさに心を打たれ、持つ力と時間を捧げてきた。

 あたりは暗くなり、チーム松山は余韻の残るオーガスタナショナルGCを離れて宿泊していたレンタルハウスに戻った。その数時間後に荷物をまとめ、帰国の途に就いたため、祝杯を上げられなかった。

 しかしそのリビングでは、松山が表彰式での前年優勝者役を演じ、スタッフ一人ひとりにグリーンジャケットを着せていた。それぞれの想いを結実させた、深夜のささやかな感謝の儀式だった。

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